コロナワクチン接種と副反応。「ゼロリスク信仰」と「SNSのデマ情報」の問題

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コロナワクチン接種の副反応

<2021/6/18追記>「インドネシアで中国製ワクチン(シノバック)接種済医療関係者がコロナ感染」との報道

「インドネシアで、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた医師などの医療関係者350人以上が新型コロナに感染し、数十人が入院している」との報道がありました。

感染した医師は、中国のシノバック・バイオテック製のワクチンを接種していたそうです。大半の医師は無症状で、自宅で自主隔離中ながら、数十人は入院しているとのことです。

「シノバック」製ワクチンは、日本が承認しているワクチンではないこと、感染力の強いインド型変異株(デルタ株)に対して「シノバック」製ワクチンの効果がなかった可能性もあることから、日本でのワクチン接種について、必要以上に不安になるべきではないと私は思います。

コロナワクチン接種は、「医療従事者」に続いて主として「65歳以上の高齢者」を優先した形で急速に進んでいます。

一時期に予約が殺到してなかなか取れなかったり、ワクチンを保管する冷蔵庫の故障や電源が切れていたりして廃棄するワクチンが大量に出たり、原液や生理食塩水を注射したり空の注射で空気を注入したり、3回接種したりといったミス、大規模接種会場がガラガラの状態で予約が進まないなど、さまざまなトラブルやミスも起きていますが、全体としては順調にワクチン接種が進んでいます

ところで、今回のコロナワクチン接種が、従来からある季節性インフルエンザの予防接種などと比べて異なるのは、「日本にとって初めてのワクチン接種であること」と、「副反応の比率が高いこと」です。

1.コロナワクチン接種と副反応

東洋経済オンラインの2021/4/29付記事によると、「コロナワクチン副反応状況」は次のようになっています。

コロナワクチン接種の副反応・年代別

朝日新聞Reライフ.netの2021/4/23付の「ワクチン接種Q&A」の記事によると、「発熱や全身倦怠感の副反応の年代別・男女別状況」は次のようになっています。

発熱の副反応

全身倦怠感の副反応

2.「ゼロリスク信仰」と「死亡との因果関係」の問題

以前、「子宮頸がんのワクチン接種」で重度の障害が出たりした問題で、朝日新聞や毎日新聞などが「反ワクチンキャンペーン」を展開し、それを受けて厚生労働省が「子宮頸がんのワクチン接種」の「推奨を取りやめる」ことになりました。

その結果、かつて約70%だった接種率が0%近くまで激減しているそうです。

これは「ゼロリスク信仰による弊害」と「役所(厚生労働省)の責任回避体質」の問題だと私は思います。

確かに、病気にかからない「予防」のためにワクチンを接種したのに、その病気にかかってしまったり、死亡したりしては「何のためのワクチン接種か?」と言いたくなる気持ちはよくわかります。

私も今回の「コロナワクチン接種」の重篤な副反応は、若い人や女性に多いとはいえ、高齢男性もゼロリスクではないので、正直なところ心配ではあります。

「日本では、今年2月17日から6月4日までにワクチンを接種した約1412万人のうち、196人が死亡した」との報道がありました。割合にすると、7万2000人に1人がワクチン接種後に亡くなったことになります。

今後、64歳以下の若い人への接種が進み、多くの人に重篤な副反応が出たり、中には死亡する人も出てきたりすると、接種に二の足を踏む人も増えてくるかもしれません。

「ワクチン接種と死亡との因果関係」の判断は、「コロナの陽性反応が出たことと死亡との因果関係」の判断と同様に、難しい問題です。

接種を受けるかどうかは、持病の関係でワクチン接種ができない人がいたり、個人の価値観の違いもあるので、強制接種ではなく個人の判断であるのは当然です。

しかし日本国民の「集団免疫」を作るためにはできるだけ多くの人が接種を受けることが望ましいことは間違いありません。

今後マスコミが「子宮頸がんのワクチン接種」の時のような「反ワクチンキャンペーン」を展開したり、いたずらに不安を煽る「反ワクチン報道」をすることは避けてほしいと思います。

また政府や厚生労働省が「ゼロリスク信仰」の人々の声を恐れて責任回避しないことを願いたいものです。

3.テレビの影響とYouTubeやSNSによる「デマ情報(誤情報)」の拡散

ワクチン接種を受けるかどうかの判断について、どの情報を参考にするかを調査したあるアンケートの結果を見ると、「テレビ」が圧倒的に多かったですが、YouTubeやSNSもありました。

特にYouTubeやSNSはテレビと違って何度も見ることがことができ、類似の関連情報も出てきますので、YouTubeやSNSの拡散力はすさまじいものがあります。これが「デマ情報」あるいは「誤情報」であった場合、その悪影響は計り知れないものがあります。

たとえば、「不妊になる」とか、「5年先、10年先に体に悪影響がある」などのデマ情報があり、それが特に若い人、特に女性の不安を煽っているようです。これらのデマ情報は専門家が否定しています。

しかし先のことでもあり、世界各国での接種による影響のデータの蓄積がもっともっと増えないと断言できないというもどかしさもあります。

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