中国共産党最高幹部や中国の富裕層の「愛人のいる生活」が明るみに出る理由

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中国前首相の不倫相手のプロテニス選手

<2021/11/23追記>この「不倫騒動」は習近平による「陰謀」「権力闘争」の可能性も!?

11/23のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」で、国際ジャーナリスト・高橋浩祐氏は米「ワシントンタイムズ」のベテラン中国ウォッチャー記者の「これは中国の権力闘争がからんでいる」というコメントを紹介しました。

つまり、この「不倫騒動」は習近平による李克強首相一派排除の「権力闘争」「陰謀」の可能性があるということです。李克強首相一派の張高麗前副首相をこの不倫騒動で追い落とし、粛清する狙いがあったのではないかという推測です。

1.中国共産党最高幹部だった張高麗前副首相と有名女子プロテニス選手との不倫騒動

張高麗・中国前首相

中国の有名な女子プロテニス選手、彭帥さん(35)が2021年11月2日、短文投稿サイト、微博(ウェイボ)に共産党最高指導部メンバーだった張高麗前副首相(75)と不倫関係にあったと実名で告白する文章を投稿しました。即座に削除されましたが、インターネット上で内容が拡散し、極めて異例の事態に衝撃が広がっています。

最初私は、アメリカで一時盛んに行われた「Me Too運動」(「私も」を意味する英語にハッシュタグ(#)を付したSNS用語。セクシャルハラスメントや性的暴行の被害体験を告白・共有する)の一環かと思いました。

ヒッチコック監督と映画「鳥」と女優ティッピ・ヘドレンへのセクハラの話もありましたね。

しかし今回のケースは、当初性的暴行を受けた経緯もあったようですが、張高麗前副首相と愛人関係にあった彭帥さんが彼に捨てられたことへの腹いせからSNSに暴露した話のようです。

ちなみに張氏は2012年から2017年まで、共産党の習近平総書記(国家主席)が率いる最高指導部の政治局常務委員を務めました。彭さんは、テニスの四大大会ウィンブルドン選手権と全仏オープンの女子ダブルスで優勝したこともあります。

2.極端な「貧富の差の拡大」と「共同富裕」

中国共産党幹部が女優やキャスターなどを愛人にするという話はよく聞きますが、中国の富裕層も愛人を持つ人が多いようです。

今や中国は、資本主義社会と同様かそれ以上の途轍もない大金持ちであるごく少数の「富裕層」と、その他大勢の「一般人民」や「貧困層」に分かれてしまったようです。

共同富裕

習近平主席が最近「共同富裕」という言葉を盛んに使うのも、社会の二極化への深刻な懸念の現れでしょう。「共同富裕」はもともと、毛沢東が提唱したスローガンです。

ちなみに日本の岸田首相が「成長と分配」「分厚い中間層」「令和版所得倍増計画」を口にするのも同様の理由からだと思います。「所得倍増」はもともと、池田勇人が提唱したスローガンです。

中国の農村が貧しい地域であることに変わりはありませんが、現在は貧しいと言っても食料の入手に困ることはなく、テレビ、冷蔵庫、洗濯機なども普及し、自動車を持つ人も出始めています。もはや中国に「絶対貧困」と呼ばれる地域はありません。

昨今問題なっているのは、「都市における格差」です。中国人の約半数は都市に住んでいます。北京や上海はそれぞれ2000万人都市となり、それに広州や深圳、南京、成都、杭州といった大都市の人口を加えると、その合計は約2億人になります。

都市と農村の格差の激しい中国では、大都市に住んでいるだけで幸せと思われてきましたが、その大都市の中に深刻な格差が生まれました。住宅価格が高騰したからです。中国の不動産バブルは2000年頃から顕在化しましたが、これまでバブルが崩壊することはありませんでした。

その結果、中国の不動産価格は天文学的と言ってよいほどにまで高騰してしまいました。北京や上海ではごく普通のマンションが日本円で2億円以上もします。中心部に行くのに交通機関を乗り継いで1.5時間から2時間程度かかる郊外のマンションでも、1億円程度です。大都市に住む中国人の平均収入は日本人の約半分ですから、庶民にとってマイホームは高嶺の花になってしまいました。

ただし「恒大集団」の債務危機から「不動産バブル」が崩壊する可能性もあります。

3.中国の富裕層の「愛人のいる生活」

「不動産バブル」で、不動産や金融に関わるごく一部の人々が巨万の富を得ました。巨万の富を得た経営者が聖人君子であれば習近平の口から「共同富裕」などといった言葉が発せられることはなかったでしょう。しかし、バブルで巨万の富を得たほとんどの人物は聖人君子ではありませんでした。

昨今、中国の富裕層の間で最も注目を集めているキーワードは「愛人」だそうです。中国だけではありませんが、短期間で巨万の富を得た人物は、得てして愛人を作るものです。

2021年1月、金融関連国営企業のトップであった頼小民に対して死刑が言い渡されました。罪状は巨額の汚職です。中国では死刑判決が出ても執行が猶予され実質的には無期懲役となるケースが多いのですが、頼小民は、判決後にそれほど時間をおくことなく刑が執行されました。頼小民は愛人が100人もいたと噂されていました。この話に象徴されるような社会状況は中国社会に暗い影を落としており、習近平が「共同富裕」を言い出さざるを得ないような状況を作り出してしまいました。

4.中国の富裕層の「愛人のいる生活」が明るみに出る理由

(1)宅配ビジネスの普及

富裕層の抱える愛人が社会問題にまでなった理由は、宅配ビジネスが急速に普及したためだということです。

中国は古来から格差社会で、格差は今に始まったことではありません。しかし、宅配ビジネスが流行するまで格差は隠蔽されていました。庶民は富裕層が住む地域にめったに足を踏み入れません。また訪れたとしても遠くから豪邸を眺めるだけでした。そのような状況では庶民が格差を実感することはありません。

しかし宅配サービスが普及したために、配達人が富裕層の住むマンションのドアの前まで行くことになりました。ドア越しに内部を覗き見ることもあります。すると、愛人。ネット社会になって富裕層の愛人が配達人の目に触れる社会が出現したのです。

中国で愛人になるような女性は美人ではあるが倫理観に欠け、かつ勤勉ではないことが多いそうです。そんな女性は料理も苦手です。多数の愛人を抱える主人はめったにマンションに顔を出しません。そこに新型コロナとネット社会がやってきました。

ネットで注文すれば、いつでも豪華な料理を食べることができます。彼女らは豪華な宅配料理の常連になりました。そして料理を届ける人々に接して、傲慢な態度をとります。それが良い評判につながるわけはありません。

「あの豪華マンションに住む女はいつも豪勢な料理を注文する。受け取りの態度も横柄だ。服装もだらしない」──そんな噂が配達人たちの間に急速に広がっていきました。ネット宅配サービスによって、庶民が富裕層の生活を直接垣間見る時代が訪れたのです。少し前にはやった日本のテレビドラマではありませんが、中国版の「家政婦は見た」です。

(2)中国版「文春砲」の存在

中国共産党を揺るがすスクープを連発し、中国版の「文春砲」ともいわれるネットメディアがあります。北京在住ジャーナリストの宮崎紀秀氏は「官僚の不正を暴くインターネットメディア『人民監督網』は調査報道によって次々とスキャンダルを暴いている。その中には『47人の愛人を囲う』という官僚もいた」ということです。

朱瑞峰

2006年に『人民監督網』を立ち上げた朱瑞峰さん(上の写真)は、宮崎紀秀氏がインタビューした2013年10月当時、それまでに「80人以上の腐敗や不正を暴いて来た」ということです。

朱さんのこうした業績は、中国国内でも広く知られるようになり、それに伴い、腐敗や不正に関する様々な情報が寄せられようになったということです。

「(失脚は)当然の結果です。私たちは記者として事実を報道するだけです。処分するかどうかは紀律委員会や政府が決めることですから」と朱瑞峰さんは話しています。

5.中国共産党が恐れる「都市での暴動」

現在、中国において配送に関わる人々は農民工だけではありません。労働はきついですが、目一杯働けば月収は1万元(約16万円)から1.2万元程度になるとされています。大都市で働く一般サラリーマンの平均月収は6000元程度とされていますから、宅配サービスで一生懸命に働くと、サラリーマンの2倍程度を稼ぐことができるのです。そのために、大学を卒業した都市戸籍を有する人々も宅配サービス部門で働いています。

もはや中国の大都市では、都市戸籍を持つ人々と農民工の間の格差は問題ではありません。深刻なのはバブルに踊った一部の富裕層とそれ以外の人々の間の格差です。バブルに乗り遅れた多くの都市住民は、農民工と共にバブルに踊った一部の人々に対して強い反感を持つようになってしまったのです。

大都市で都市戸籍を持つ人々が農民工と一緒になって富裕層に恨みを抱く社会は恐ろしいものです。何かの際に、都市で規模の大きい暴動が起こるかも知れません。それは共産党の統治の根本を揺るがします。現在、中国共産党はその対策に追われています。



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