「鼻」が付くことわざ・慣用句・熟語

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鼻の下の建立

1.「鼻」が付くことわざ・慣用句

(1)「鼻の下」が付くもの

「鼻の下」とは、「鼻と口との間の部分、また口のこと」です。

①鼻の下の建立(こんりゅう)

寺社などで寄進を募るのは、僧侶や神官の生活のためだということです。

内田魯庵の短編小説集「社会百面相」に。「人道の道徳のと云うが、頭巾を取れば皆鼻の下喰う殿(でん)の建立だ」という文章があります。「仏殿」や「神殿」の建立ではなく、「鼻の下喰う殿」の建立だと痛烈に皮肉っているのです。

私は宗教を全く信じていませんので、この慣用句はまさにその通りで真実を突いていると思います。

②鼻の下が干上がる

収入がなく、生活できなくなることです。「口が干上がる」とも言います。

③鼻の下が長い

女性に甘い、色香に迷いやすい、好色であることです。女性に甘い様子や、好色そうな顔つきをすることは、「鼻の下を伸ばす」「鼻の下を長くする」と言います。

④花の下より鼻の下

花の下でその美しさを愛でる風流よりも、鼻の下の口で食物が毎日食べられることの方が大切であること

(2)「鼻毛」が付くもの

①鼻毛を数える

女が自分に惚れている男を思うように操ることです。「鼻毛を数える」も同じ意味です。

②鼻毛を伸ばす

女の色香に心を奪われ、だらしなくなることです。

③鼻毛を抜く

相手を騙すこと、出し抜くことです。

(3)鼻を明かす

他人の油断に付込んだり相手を騙したりして、人より先に物事をして、人をあっと言わせることです。

語源としては、①驚かせた相手の表情が元になったとする説(驚かせた相手の鼻がピクピクと痙攣したりして、その存在が明らかになる)と、②「花」に掛けたとする説(人が隠していた花【鼻】を見出す)の二つがあります

(4)小鼻をうごめかす

得意そうな表情をすることです。

(5)鼻薬を嗅がせる

賄賂を使うことです。「鼻薬をきかせる」とも言います。

(6)鼻を鳴らす

鼻にかかった甘えた声を出すことです。

(7)鼻であしらう(鼻先であしらう)

相手の言葉に取り合おうとせず、冷淡に扱うことです。

(8)鼻で笑う

相手を見下してあざけり笑うこと、鼻先でふんと笑うことです。

(9)鼻を突く

においが鼻を強く刺激すること、また、主人から勘当されることです。

(10)小鼻が落ちる

病人が衰弱して死に近づくとき、小鼻の肉がそげ細ることです。

2.「鼻」が付く熟語

(1)鼻先分別

目先にとらわれた極めて浅はかな考え。またそのさまのことです。「鼻元思案」「鼻元料簡」「喉元思案」とも言います。

(2)鼻持ち

「鼻持ち」とは臭気を我慢することです。「鼻持ちならない」とは、言語や行動が嫌味で我慢できないほど不愉快であることです。

以上のように見て来ると、「鼻」が付くことわざ・慣用句、熟語・言葉は、ほかにもたくさんありますが、どちらかというと「マイナスイメージ」で良い意味のものが少ないようですね。



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