漢字で書いた洋花(外来の花)の名前(和名)(その3)(「さ行」)

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サボテンの花

前に「日本に古くからある花の漢字名」をどう読むかをご紹介する記事を書きましたが、今回は最近種類も豊富になってきた洋花(外来の花)を日本名で漢字でどう書くか(和名)をご紹介したいと思います。

名前は知らなくても、見かけたことのある花も多いと思います。百花繚乱の画像とともにお楽しみください。

今回は「さ行」の花をご紹介します。

1.洋花(外来の花)のカタカナ名

(1)さ行

①サボテン、②サルビア、③サントリナ、④サンビタリア、⑤シクラメン、⑥ジニア、⑦ジャスミン、⑧スイートピー、⑨スカビオサ、⑩スターチス、⑪ステルンベルギア、⑫ストケシア、⑬ストック、⑭ストレリチア、⑮スノードロップ、⑯スノーフレーク、⑰スパティフィラム、⑱ゼフィランサス、⑲ゼラニウム

2.洋花(外来の花)の漢字名(和名)

(1)さ行

①サボテン:仙人掌(せんにんしょう)/覇王樹(はおうじゅ)

サボテン仙人掌

「サボテン」は、サボテン科に属する植物の総称です。北アメリカと中央アメリカを中心に2000種以上あります。

その多くは「多肉植物」であるため、「多肉植物の別名」として使われる場合もありますが、サボテン科以外の多肉植物をサボテンと呼ぶのは誤りです。

なお、サボテンの棘の部分は、葉や茎が変化したものであると考えられています。

「サボテン」の語源については、ポルトガル語で「石鹸」の意味の「サボン(sabao)」に「手」(あるいは「体(てい)」)がついて「サボン手」(あるいは「サボン体」)となり、さらに「サボテン」に変化したと言われています。

サボテンは、16世紀後半に南蛮人によって日本に持ち込まれました。彼らが「ウチワサボテン」の茎の切り口で畳や衣服の汚れをふき取り、樹液を「サボン(シャボン)」として使っていたからです。

「覇王樹」という名前は、1591年に中国の書物「遵生八牋」に、「仙人掌」という名前は1688年に中国の書物「秘伝花鏡」に出てきます。

なお英語名の「カクタス(Cactus)」の語源は、ギリシャ語で「棘だらけの植物」を意味する「カクトス( κάκτος)」がラテン語の「カクトゥス(Cactus)」となったものです。

②サルビア:緋衣草(ひごろもそう)

サルビアさるびあ

「サルビア」は、広い意味では「シソ(紫蘇)科サルビア属」の植物全てを指し、ハーブとして知られる「セージ(薬用サルビア)」もその仲間に入ります。その総数は500種以上と言われています。

「サルビア(Salvia)」という名前は、ラテン語の「salvero(健康である、健在である)」に由来し、サルビアの一種に薬効があることにちなみます。

③サントリナ:綿杉菊(わたすぎぎく)

サントリナさんとりな

「サントリナ」は、地中海沿岸地域を中心に分布するキク(菊)科ワタスギギク(綿杉菊)属の常緑低木です。細かい葉が綿毛に覆われているので、株全体が銀白色に輝きます。

耐寒性・耐暑性が高く、海岸沿いの岩場など、日当たりが良くて乾燥した場所に自生しています。

「サントリナ(Santolina)」という名前は、ラテン語の「sanctum(聖なる)」と「linum(亜麻)」が語源と言われています。

サントリナは、葉に触れると独特な香りがします。全草に芳香成分を含んでいて、香水の原料として利用されるほか、防虫効果もあることから、ドライフラワーやポプリの材料として古くから利用されてきたハーブでもあります。

サントリナは「コットンラベンダー」という別名がありますが、ラベンダーとは科も属も違います。ラベンダーはシソ科ラベンダー属です。

④サンビタリア:蛇の目菊(じゃのめぎく)

サンビタリアさんびたりあ

「サンビタリア」は、中央アメリカ原産のキク(菊)科の一年草です。横に広がるように伸び、黄色い小さなヒマワリのような花を咲かせます。

「サンビタリア(Sanvitalia)」という名前は、イタリアの博物学者のフェデリコ・サンビタリアの名前に由来します。

⑤シクラメン:篝火花(かがりびばな)/豚の饅頭(ぶたのまんじゅう)

シクラメンしくらめん

「シクラメン」は、地中海地方が原産のサクラソウ(桜草)科シクラメン属の多年草の球根植物です。

冬の代表的な鉢植え植物でもあり、クリスマス時期に多く見かけます。

「シクラメン(Cyclamen)」は、もともと「サイクラメン」と呼ばれていました。この花は咲き終わると花は取れ、茎は下に下がり円を描くようになっていきます。その様子から「サイクル」という言葉を含む名前になりました。

サイクラメン花後のシクラメン

シクラメンと言えば小椋佳作詞・作曲で布施明が歌った「シクラメンのかほり」が有名ですね。

布施明 シクラメンのかほり

私はこの曲のタイトルに関して「シクラメンのかほりは、『かをり』が正しい。また香りのないシクラメンが一般的」という記事を書いています。ぜひご一読ください。

⑥ジニア:百日草(ひゃくにちそう)

ジニア百日草

「ジニア」は、約15種が南北アメリカに分布し、その中心はメキシコにあります。

「ジニア(Zinnia)」という名前は、ドイツ・ゲッティンゲン大学の医学・植物学教授だったヨハン・ゴットフリート・ジン(1727年~1759年)にちなんだものです。

私が子供の頃は「百日草」と呼んでいましたが、家の庭にたくさん咲いていて、仏花としてよく使っていました。

和名の「百日草」は、花期が長く次々と花が咲くことから付けられました。

この花は地味で花色もくすんで見えるため、私には「古臭い花」という印象しかありません。

⑦ジャスミン:茉莉花(まつりか)/素馨(そけい)

ジャスミンじゃすみん

「ジャスミン」は、アジア・アフリカ原産のつる性植物で、7月~9月にかけて白色や薄黄色の花を咲かせます。

開花時期には甘くて濃厚な香りを楽しめるのが魅力で、ハーブティーやアロマオイルなどにも利用されています。

「ジャスミン( Jasmine )」という名前は、もともと「ヤースミーン」というペルシャ語に由来すると言われています。

「ヤースミーン」には、「神様からの贈り物」という意味があり、ジャスミンの美しい花と香りが神からのプレゼントという意味で名付けられたという説が有力です。

日本では「茉莉花(まつりか)」と呼ばれていますが、これはジャスミン全般ではなく、「アラビアジャスミン」を指したものです。サンスクリット語でこのアラビアジャスミンを「マリカーと呼ぶことから名付けられたようです。

⑧スイートピー:麝香連理草(じゃこうれんりそう)/麝香豌豆(じゃこうえんどう)/香豌豆(かおりえんどう)

スイートピーすいーとぴー

「スイートピー」は、イタリア・シチリア島原産のつる性一年草又は宿根草で、巻きひげで絡みながら伸びていきます。

「スイートピー(Sweet pea)」という名前は、「甘い香りの豌豆」の意で、甘い芳香を放つところから命名されました。

そう言えば、和名の「麝香連理草」「麝香豌豆」「香豌豆」も、麝香や香の名を冠していますね。

⑨スカビオサ:西洋松虫草(せいようまつむしそう)

スカビオサ松虫草

「スカビオサ」は、地中海沿岸が原産のマツムシソウ(松虫草)科の多年草です。

「スカビオサ(Scabiosa)」と言う名前は、ラテン語の「scabies(疥癬)」に由来します。スカビオサには皮膚病に効果があることから名付けられました。

日本の松虫草(下の画像)によく似ていますね。同じマツムシソウ科ですから当然ですが・・・

松虫草

⑩スターチス:花浜匙(はなはまさじ)

すたーちすスターチス

「スターチス」は、世界各地に100種類以上分布するイソマツ(磯松)属の植物の総称です。日本でよく知られているのは、主に地中海沿岸を原産とするシヌアータ(Limonium sinuatum:シヌアツム)系の種類で、「浜花匙」の和名があり、一年草として扱われます。

「スターチス(Statice)」という名前は、ギリシャ語で「止める」という意味の「statizo」が語源となっています。この植物の仲間を古くは下痢止めとして使用していたことにちなんでいます。

⑪ステルンベルギア:黄花玉簾(きばなたますだれ)

ステルンベルギアすてるんべるぎあ

「ステルンベルギア」は、ヨーロッパ南東部からアジア南西部に5~8種が分布する小球根です。日本では「ステルンベルギア・ルテア(Sternbergia lutea)」が最もよく栽培されています。

秋に休眠から目覚めたあと、葉の出現と同時、あるいは先駆けて1つの球根から2~3本の花茎を出し、クロッカスに似た黄色い花を咲かせます。

「ステルンベルギア(Sternbergia)」という名前は、ボヘミアの植物学者ステルンベルグ(1761年~1838年)にちなんで名付けられました。

和名の「黄花玉簾」は「玉鬘」に花姿が似ているために名付けられました。

タマスダレ

⑫ストケシア:瑠璃菊(るりぎく)/江戸紫(えどむらさき)

ストケシアすとけしあ

「ストケシア」は、北アメリカ南西部の南カロライナからルイジアナ州が原産のキク(菊)科ストケシアの1属1種の宿根草で、日本には大正時代に渡来しています。鮮やかな紫や青紫の花が群開します。

「ストケシア(Stokesia)」という名前は、イギリスの植物学者ジョナサン・ストークス(1755年~1831年)にちなんで名付けられました。

⑬ストック:紫羅欄花(あらせいとう)

すとっくストック

「ストック」は、南ヨーロッパ原産のアブラナ(油菜)科の一年草です。

ストックの花は、そばを通るだけでよい香りが漂ってきます。この香りは、「丁子(クローブ)」やカーネーションに似たスパイシーな香りです。

古代ギリシャ時代から薬草として利用されてきたそうです。

「ストック(Stock)」という名前は、スキーのストックを連想する人も多いと思いますが、「真っ直ぐな茎」という意味で名付けられました。

⑭ストレリチア:極楽鳥花(ごくらくちょうか)

ストレリチアすとれりちあ

「ストレリチア」は、南アフリカ原産のゴクラクチョウカ(極楽鳥花)属の多年草です。

まるで熱帯の鳥のような個性的な姿から、一度見たら忘れられない花です。

茎から垂直に伸びた舟形の「仏炎苞(ぶつえんほう)」は、まるで嘴(くちばし)のようです。その上に伸びたオレンジ色の咢や青色の鮮やかな花を咲かせる様子は、色鮮やかな鶏冠を立てた鳥そのものです。

「ストレリチア(Strelitzia)」という名前は、英国のジョージ三世の王妃で「マクレンバーグ・ストレリッツ家」出身のシャーロット・ソフィアの旧姓(ストレリッツ)に由来します。

この花は、大航海時代の1773年にバンクスによって初めて南アフリカから英国に紹介され、その美しさと珍しさによって大人気となり、植物愛好家でもあった時の王妃の名にちなんで命名されたのです。

英語名は「バード・オブ・パラダイス・フラワー(Bird of Paradise Flower)」で、和名はこの訳で「極楽鳥花」と呼ばれています。

⑮スノードロップ:待雪草(まつゆきそう)

スノードロップすのーどろっぷ

「スノードロップ」は、東ヨーロッパ原産の多年草で、可憐な草姿に白い下向きの花を一輪咲かせ、春を告げる花として人気があります。

「スノードロップ(Snow drop)」という名前は、16世紀から17世紀にかけて人気のあった「涙滴型の真珠のイヤリング」であるドイツのSchneetropfen(Snow-drop)に由来します。

⑯スノーフレーク:鈴蘭水仙(すずらんすいせん)/大待雪草(おおまつゆきそう)

スノーフレークすのーふれーく

「スノーフレーク」は、ヨーロッパ中南部原産の多年草です。

「スノーフレーク(Snow flake)」という名前は、「雪の結晶」や「雪片、ひとかけらの雪」という意味で、真っ白な花の色にちなんでいます。

和名の「鈴蘭水仙」は、花姿がスズランに、そして葉の形がスイセンに似ていることから名付けられました。

⑰スパティフィラム:笹団扇(ささうちわ)

スパティフィラムすぱてぃふぃらむ

「スパティフィラム」は、熱帯アフリカ原産の多年草です。

この花は、丈夫で育てやすいので、小鉢から中鉢で楽しむ室内向け植物として親しまれています。白い花びらのように美しいのは、「仏炎苞」と呼ばれる部分で、花はひも状の部分(肉穂花序:にくすいかじょ)に多数付きますが、小さくて目立ちません。

「スパティフィラム(Spathiphyllum)」という名前は、ギリシャ語の「spathe(仏炎苞)」と「phyllon(葉)」が語源となっています。

⑱ゼフィランサス:玉簾(たますだれ)

ゼフィランサスぜふぃらんさす

「ゼフィランサス」は、アメリカ原産の多年草です。

白花の「タマスダレ(カンディタ)」が一般的ですが、ピンク(サフランモドキ:カリナータ)や赤紫(ロゼア)、黄色の花(シトリナ)もあります。

「ゼフィランサス(Zephyranthes)」という名前は、ギリシャ語の「Zephyros(西風)」と「anthos(花)」が語源となっています。

⑲ゼラニウム:天竺葵(てんじくあおい)

ゼラニウムぜらにうむ

「ゼラニウム」は、南アフリカを中心に熱帯アフリカ、シリア、オーストラリアなどの広い範囲に約280種が分布します。花後に枯れる一年草、毎年咲く多年草、低木など様々な種類があります。

「ゼラニウム(Geranium)」という名前は、ギリシャ語の「geranos(鶴)」が語源です。花後の果実の形を鶴の嘴(くちばし)に見立てたことに由来します。



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