日本語の面白い語源・由来(お-②)小田原評定・奢る・驕る・お株を奪う・訪れる・横柄

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小田原評定

日本語の語源には面白いものがたくさんあります。

前に「国語辞典を読む楽しみ」という記事を書きましたが、語源を知ることは日本語を深く知る手掛かりにもなりますので、ぜひ気楽に楽しんでお読みください。

以前にも散発的に「日本語の面白い語源・由来」の記事をいくつか書きましたが、検索の便宜も考えて前回に引き続き、「50音順」にシリーズで、面白い言葉の意味と語源が何かをご紹介したいと思います。季語のある言葉については、例句もご紹介します。

1.小田原評定(おだわらひょうじょう)

小田原評定

小田原評定」とは、時間ばかり長引いて結論の出ない会議や相談のことです。

小田原は相模国小田原城(現在の神奈川県小田原市)、評定は集まって相談することです。
天正18年(1590年)、豊臣秀吉が北条氏の小田原城を攻めた際、城中では戦うべきか和睦すべきか議論しましたが、意見が分かれてなかなか決定しなかったという故事から、いつまで経っても決まらない相談や会議を「小田原評定」というようになりました。

私も現役サラリーマンの頃に、このような会議を経験したことがあります。結論が難しい問題だったということもありますが、会議を取り仕切る人の「さまざまな意見を聞いた上で妥当な結論に導く力量」(落としどころを見つける才能)が不足していたという面もありました。

2.奢る(おごる)・奢り(おごり)

奢る

奢る」は、必要以上に贅沢をすることや、人にごちそうしたり、金品を他人にふるまうことです。奢るは「驕る/傲る」(地位・権力・財産・才能などを誇って、思い上がった振る舞いをすること)と同源です。

「奢り」は「奢る」の名詞形で、贅沢や、人にごちそうすることです。

思い上がった振る舞いをする「おごる(驕る)」から、平安中期には「おごる」に「贅沢をする」の意味が生じました

「人にごちそうする」「物などを人に振る舞う」の意味は、「贅沢をする」から転じたもので、江戸時代から使用が見られます。

3.驕る/傲る(おごる)・驕り/傲り(おごり)

驕る

驕る」は、地位・財産・才能などを誇って、得意になることです。

驕り」とは、得意になって威張ることや思い上がりのことです。

「驕り」は「驕る」の連用形の名詞化したものです。

驕るの語源については、大きがることをいう「大ごる」の意味「おおほこる(大誇る)」の意味思い上がるの意味から「あがる(上がる)」の母音交替形など諸説あります。

人にごちそうする、贅沢する意味の「奢る(奢り)」は、思い上がった振る舞いをする「驕る」の意味から派生したものです。

4.お株を奪う(おかぶをうばう)

お株を奪う

お株を奪う」とは、ある人が得意とすることを他の人がそれ以上に上手くやってのけることです。

お株は、その人が得意とする技や芸、特有の癖のことです。
お株を奪うは、得意とすることを奪うのですから、その人以上に他の者が上手くやってのけることの意味となります。

お株が得意とすることを意味するのは、江戸時代の「株仲間」に由来します。株仲間は、幕府や諸藩の許可を得て結成された商工業者の同業組合のことで、その仕事をするための権利を「株」と言いました。「株」は専売特許のようなものであったことから、その人の得意とする技や芸を表すようになりました。

5.訪れる(おとずれる)

訪れる

訪れる」とは、人や場所を訪ねる、人が訪ねて来る、ある状態や季節がやって来ることです。

人が訪れる時には、音を連れ添ってやってくることから、「おと」は「音」、「ずれる」は「連れる」の意味と考えられています

訪れるは人が訪ねることや、季節などがやって来る意味のほか、音を立てる、声を立てるいった意味でも使われており、この意味も「音連れる」に結びつきます。

6.横柄(おうへい)

横柄

横柄」とは、人を見下げたり無視した態度をとること威張って無礼なこと、またそのさまのことです。

横柄は「押柄(おしから)」に由来します。
押柄は押しの強い人柄を意味する語で、中世に「おうへい」と音読されるようになりました。
音読された「おうへい」に「横」の字を当てたのが「横柄」です。

当て字に「横」が使われたのは、「おう」という音のほかに、「横紙破り」や「横車を押す」など「横」に「強引さ」を表す言葉が多いことも影響したと考えられています。