数年前に「新日曜劇場」で「日本沈没ー希望のひとー」という衝撃的なドラマが放送されました。
1.防災の日
毎年9月1日は、「防災の日」です。これは、大正12年(1923年)に起きた関東大震災にちなんで、「災害への備えを怠らないように」との戒めを込めて制定されたものです。
日本を代表するSF作家の小松左京が「日本沈没」という小説を発表したのは、昭和48年でした。映画化も二回されたので、ご覧になった方も多いと思います。小説発表当時、私は拾い読みしただけで「荒唐無稽な発想で、不安を煽る空想小説」だと思っていました。
しかし、平成7年(1995年)の阪神・淡路大震災、平成23年(2011年)の東日本大震災と大震災が続き、今年6月には大阪北部地震が発生するに及んで、改めてじっくり読み直してみると、この小説は、決して「絵空事」ではない科学的な根拠もあるものだと改めて痛感しました。
話は変わりますが、平成7年に発表された東野圭吾のクライシスサスペンス小説「天空の蜂」も、原子力発電所に対するテロ攻撃という設定ではありますが、東日本大震災による原子力発電所事故を「予見」したような内容でした。
2.天災は忘れる前にやって来る、日本全国どこでも注意
「天災は忘れた頃にやって来る」という寺田寅彦の有名な警句がありますが、現実は「天災は忘れる前にやって来る。日本全国どこでも注意!」です。
近年の小笠原諸島や鹿児島南方での海底火山活動の活発化も気になります。火山学者によれば「太平洋プレートが西側へ動くと、小笠原沖の火山が南から北へと順番に噴火し、やがてプレートの境界付近で大地震が起きる。富士山が噴火してもおかしくない。」とのこと。
日本で今年震度4以上の地震は、大阪・福島・熊本・茨城はじめ16都道府県にわたって39回も発生しています。世界を見ても、マグニチュード6以上の地震が、インドネシア・ハワイ・ニューギニア・メキシコ・アラスカ・ペルー・ホンジュラスなどで、今年10件も起きています。
誕生から46億年の歴史がある地球で、人類の歴史は僅か数十万年の歴史しかありません。しかも、我々が知り得る大地震の記録は、せいぜい数千年前くらいだとすると、「今まで経験したことがないような大地震」が起きても不思議ではありません。我々が知らないだけかもしれないのです。
3.地球は間もなく氷河期に入る?
また、海外の研究者が「今後15年ほどで太陽の活動が60%も減衰する。2030年には、地球がミニ氷河期に入る。」というショッキングな研究結果を発表したとの報道が3年前にありました。
「氷河期」というと、マンモスが絶滅した頃のようなツンドラ地帯が地球全体に広がっているようなイメージがあります。
しかし、よく調べてみると、現在も南極大陸・北極・グリーンランドに広大な氷床があるので、「現代も氷河期(新生代氷河時代と呼ぶ)」だそうです。この氷河期は260万年前から始まっており、その間に、寒冷な「氷期」と温暖な「間氷期」が繰り返されているそうです。
今全世界で盛んに「地球温暖化が問題」だとして「温暖化を防ぐことに躍起になっている」状況ですが、「この『地球温暖化』は『地球が間氷期から氷期に入る時期を遅らせるプラスの働き』をしている」と評価する学者もいるようです。
ですから、上の海外の研究者の話というのは、「今の温暖な間氷期から、まもなく必ず寒冷な氷期に入る」という意味かも知れませんね。
難しい話は、よくわかりませんが、「南海トラフ地震」や「首都直下型地震」などの言葉は最近よく耳にします。近い将来、かなりの確率で起きる大地震のようです。地球規模での「大きな異変」が起きつつあるのかも知れません。
4.「消防訓練」や「避難訓練」は真剣に
職場では、毎年のように「消防訓練」や「避難訓練」が行われますが、大半の人は「どうせ現実には起こらないだろう」と高を括って義務的に訓練に参加していたのではないでしょうか?
しかし、「火災」だけでなく「地震」も、「いつ起きてもおかしくない」との危機意識をしっかり持つ必要があると思います。
「魚遊釜中(ぎょゆうふちゅう)」「魚の釜中に遊ぶが如し(うおのふちゅうにあそぶがごとし)」ということわざがあります。これは、「後漢書」の張綱伝にある言葉ですが、「魚が煮られるのも知らずに釜の中で泳いでいるように、災難が迫っているのも知らずにのんきに構えていること」のたとえです。最近は「茹でガエル」(茹でガエル現象)というたとえ話もよく聞かれますが、意味は同じです。
我々も心に刻んで、備えを怠らないようにしておく必要があると思います。