数字を含むことわざ・慣用句と言えば、「三人寄れば文殊の知恵」とか「三つ子の魂百まで」などたくさんあります。
前回は「人数・年齢・回数・年月や時間・距離・寸法」を表す数字を含むことわざ・慣用句を紹介しました。そこで今回は、その他の「一」から「万」までの数字を含むことわざ・慣用句をまとめてご紹介したいと思います。
なお面白い数字の単位についての話は、前に「数字の単位は摩訶不思議。数字の不思議なマジック・数字の大字も紹介!」という記事に詳しく書いていますので、ぜひご覧下さい。
16.「七十」「七十五」を含むことわざ・慣用句
(1)人の噂も七十五日(ひとのうわさもしちじゅうごにち):世間で人があれこれ噂をしていても、それは長く続くものではなく、やがて自然に忘れ去られてしまうものだということ。
どんな噂が立ってもそれは一時的なものに過ぎず、二、三カ月も経てば消えていくものだから、放っておけば良いという意味が込められています。
「七十五日」になった理由は所説ありますが、最も一般的で有力な説として以下の説が挙げられます。
昔は、春夏秋冬の他に、土用の丑の日を含めた五季節という考え方があり、一年の365日を5で割ると73になるところから。
また、昔の暦は春夏秋冬の期間が、年によって70~75日あったことから、七十五日はひとつの季節を表すということから。
(2)七十五日は金の手洗い(しちじゅうごにちはかねのてあらい):嫁や婿、養子に行った時は、しばらくの間は大事にされるということ。
「金の手洗い」は、金属製の洗面器で来客などに使われたもの。
(3)人生七十、古来稀なり(じんせいしちじゅう、こらいまれなり):七十歳まで生きる人は、昔から非常に少ないということ。
このことから七十歳のことを「古稀(古希)」と言います。
(4)初物七十五日(はつものしちじゅうごにち):その年の初めての収穫品を食べると、寿命が七十五日延びるということ。