カードマジックで驚くものの一つに「カードがレモンの中に移動するマジック」(カードinレモン)というのがあります。
皆さんもテレビでご覧になったことがあると思いますが、カードが本当に移動するはずがありません。
ではこの種明かしはどうなっているのでしょうか?
1.「カードがレモンの中に移動するマジック」の手順
①皿に入れたレモン1個または数個と、ナイフを準備しておきます。
②トランプカード1セット(52枚+α)の中から、観客に一枚のカードを選んでもらいます。
③その一枚のカードを細かく破ります。
④そしてその細片のうちの一つを観客に渡します。
⑤レモンが数個の場合は、観客にそのうちの1個を選んでもらいます。
⑥選ばれたレモンをナイフで半分に切ると、中に巻紙のようなものが入っています。
⑦巻紙を開いてみると、最初に選んだカードで、端が破られています。
⑧観客に渡した細片と合わせてみると、不思議なことにぴったり合致します。
一体どうやってレモンの中に移動したのでしょうか?というわけです。
2.「カードがレモンの中に移動するマジック」の種明かし
このマジックには「仕掛け」がたくさんあります。
①で用意する「レモンの中の1個」に、「選ばれる予定のものと同じ種類のカード」の「端をちぎった残り」を「巻紙のように小さく丸めて入れておく」のです。
入れ方は、ナイフでレモンの「ヘタ」(「出べそ」でない方)の周りを切って、ヘタを一旦取り、爪楊枝などで穴を少し大きくして、巻紙のようにしたカードを差し込んだ上で、再びヘタを元に戻して穴を閉じます。
②のカードの選び方は、通常のマジックで行われるトリックで、「あらかじめ予定したカードが選ばれる」ように仕組みます。
③で選ばれたカードを破るときに、「あらかじめ破っておいた切れ端」も隠し持っておいて、それを観客に渡します。残りのカードの切れ端は用済みなので燃やすか、ポケットにしまいます。残しておくとトリックがばれるからです。
⑤で複数のレモンがある場合は、観客に選ばせますが、観客が選んだ分がカードの入っているレモンでない場合は、マジシャンのテクニックでさりげなくそのレモンを除外します。観客が「サクラ」の場合は、一発でそのレモンを選ばせることも可能ですが、見分けが難しいと思います。