1950年に吉田内閣の池田勇人蔵相が「所得の少ない方は麦、所得の多い方はコメを食うというような経済原則に沿った方へ持って行きたい」と答弁したのが、「貧乏人は麦を食え」との見出しで新聞報道され、物議を醸しました。
私が小学生時代、算数の文章問題で、「米〇割、麦△割の麦ごはん・・・」という問題がよくありました。
私が子供の頃、家計を切り詰めるために「鯖の缶詰」とともに「麦飯」を食べさせられたことがあります。米と麦の割合がどの程度だったか忘れましたが、「ぷーんと匂う麦の嫌な臭い」とふっくらした米と比べて「ぺちゃんこで真ん中に茶色い筋のある麦の食感」に辟易したものです。
１．「粗食」としての麦飯
麦飯は、かつては米より食味が劣り安価であったため、「粗食で貧民の食物」という認識が一般的でした。池田蔵相の発言もこの流れに沿ったものです。日本の刑務所では、近代の懲役刑導入と共に麦飯が導入され「臭い飯」と言われました。しかし徳川家康や昭和天皇は、その栄養価から麦飯を主食としていたそうです。
２．「健康食」としての麦飯
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最近は米と比べて食物繊維・タンパク質・ビタミンを多く含むため「健康食品」として見直されています。
大麦を中心にした食生活をすると、悪玉コレステロールの抑制や便秘解消、血糖値の減少など様々な健康効果が期待できると注目されています。
麦飯のほかにも近年、健康やダイエット意識の高い女性を中心に「雑穀米」や「雑穀料理」が人気となっています。
白米は精米過程で胚芽や糠を取り去るので、ビタミンやミネラル、食物繊維が不足しがちになります。一方雑穀は、ビタミン（Ｂ群、Ｅ、ナイアシン、葉酸など）、ミネラル（亜鉛、鉄、カルシウム、カリウムなど）、食物繊維、ポリフェノールなどが豊富に含まれています。
最近は「麦飯」も食べやすいようなレシピが考案されているようです。私は子供時代のトラウマがあって、麦飯を食べる気にはなりませんが、韓国料理店や中華料理店で「雑穀米」や「赤米」が出た時は極力食べるようにしています。
