私が小学生のころ、同級生には昆虫が好きで詳しい人がいて、梅雨の季節にはホタルを捕って学校に持ってきたり、夏休み前になるとカブトムシやクワガタムシを学校に持ってきて自慢していました。
1.ミツバチの蜜の味
春のころに、「ミツバチ」に詳しい同級生がいて、「ミツバチの蜜は吸うと甘くておいしい」と言うので校庭の端のシロツメクサの花が咲いている所に行き、ミツバチを探しました。そして彼がミツバチを捕まえて吸って見せるので、私もまねてみました。
しかし、変な味がして甘くも何ともありませんでした。やはり蜂蜜は、ミツバチが胃の中に貯まった花の蜜を酵素で分解・熟成して吐き出して出来るもので、生きているミツバチから簡単に吸えるものではなかったのです。
件の同級生の知識は、「生半可」なものだったようです。
2.クヌギの樹液の味
私は、カブトムシやクワガタムシを採集するためにクヌギ林によく行きましたが、クヌギの樹液を舐めたことはありません。しかし、樹液の出ているクヌギの幹には饐えたアルコールのような匂い(発酵臭)がするので、すぐにわかります。
子供向けの昆虫採集のテレビ番組で、昆虫写真家・里山写真家である今森光彦氏(1954年~ )が、クヌギの樹液を子供たちにちょっと舐めさせて感想を聞いたところ、ある子供が「甘い」と答えたので、即座に「嘘をつけ!」と言いました。決して甘くはないのに、その子供は「樹液は甘い」という先入観で答えたからです。
3.雑草やキノコは「毒」に注意が必要
雑草と言えば、「道草食い(野草食い)俳優」として有名な岡本信人(1948年~ )さんを思い出します。彼は私と同じ団塊世代です。
「ナニコレ珍百景」というテレビ番組の「日本各地の草花を食べるコーナー」に出ていました。彼は野草を食べ続ける理由を、「もちろんおいしいし、それに元気になれるような気がするから。自生して花を咲かせる強い生命力、その芽吹いた時の勢いというのはすごいと思うんです。だからパクっといただく。無病息災を願う春の七草粥と同じで、おまじないみたいなものですね。薬草になる野草もいっぱいありますからね。ハコベは歯槽膿漏、オオバコは利尿作用、ドクダミにもいろんな効能がある」と話しています。
私はゴルフ場で、同伴競技者が「タラの芽を見つけた」と言って持って帰るのを見ました。私にはどれが「タラの芽」なのか全くわかりません。
しかし、山菜や野草には「毒草」もあるので注意が必要です。猛毒のトリカブトを、ヨモギかセリかニリンソウと間違えて食べて死亡したとのニュースもありました。岡本信人さんも、「たとえばホトケノザには、キク科とシソ科があり、春の七草に使われるのはキク科で食べられるけど、シソ科のは毒草なので間違えて食べてはダメです。毒草はちゃんと図鑑などで調べてほしい。知らない野草は決して口にしないこと。野草に関しては冒険しないでください」と話しています。
毎年、「毒キノコ」による被害がニュースになります。一見して「毒キノコ」とわかる毒々しいものは誰も食べないと思いますが、シイタケに似たツキヨタケや、シメジに似たクサウラベニタケやカキシメジなどは特に注意が必要です。
キノコは1,500種以上あるそうですが、食べられると確認されているのは300種ほどしかありません。そして毎年100人以上が毒キノコによる食中毒の被害に遭うそうですから、くれぐれもご注意ください。