1.同の字点
「々」についての雑学をお話しします。
「代々木」「佐々木」「野々村」「山々」などとよく使われる「々」ですが、これは漢字ではありません。「句点」(。)や「読点」(、)と同じ仲間です。
漢字であれば、「音読み」「訓読み」で幾通りかの読み方がありますが、あくまでもその漢字の「別の読み方」です。しかし、この「々」は「前の漢字と同じ」ということを表す「記号(符号)」で、「同の字点」(どうのじてん)と呼びます。
分解すると「ノ」と「マ」になることから「ノマ点」という俗称もあります。
なお、パソコンやスマホで「々」を出すには、「おなじ」「どう」「くりかえし」などと入力すれば出て来ます。
2.踊り字
「踊り字(躍り字)」とは、「同一の漢字または仮名を重ねることを表す符号(特殊記号)」のことです。「おどり」「繰り返し符号」「重ね字」「送り字」「揺すり字」「重字(じゅうじ)」「重点(じゅうてん)」「畳字(じょうじ)」という呼び方もあります。
上記の「同の字点」も踊り字の一種です。
踊り字にはこのほかに、「一の字点」、「二の字点」、「くの字点」があります。
(1)一の字点
「ゝ」「ゞ」はひらがなを重ねる場合に、「ヽ」「ヾ」はカタカナを重ねる場合に用います。
(2)二の字点
「〻」は殷から使われている小さい「二」の字を崩した記号です。「揺すり点」とも呼ばれ、主に縦書きの文章で用いられます。現在は「々」で代用されることが多いようです。
(3)くの字点
「〈」は縦書きの文章のみに用いられ、平仮名の「く」の字を延ばしたように書きます。
3.ディットー「〃」
「踊り字」とよく似たものに、「同上(上に同じ)」という意味で使う「〃」という記号がありますね。
これは英語で「ditto mark(ディットーマーク)」と言います。ラテン語の「dictum」(同じ)が語源です。
「the same」(同じく)という意味で、「私も同じく」と言いたい時に使う口語表現です。「me too」と同じです。