捨てるはずのサツマイモが海外で大人気となり、価値が14倍にもなり、「サツマイモ革命」が起きているというニュースがありました。
普通のサイズのサツマイモに比べると小さすぎて、以前は捨てるしかなかった小さなサツマイモが「世界が求めるサイズ」だったという新しい発見です。これは「逆転の発想」というべきものでしょう。
宮崎県の広大な農地でサツマイモを栽培する「くしまアオイファーム」の池田社長は、日本と異なる食文化を持つ国や地域に目を付けました。
池田社長が一農家だったころ小さなサツマイモは、国内市場で手取り100円/kgでしたが、現在香港市場では1400円/kgくらいで売れているそうです。
香港の人が小さなサツマイモを好む理由は、家庭で茹でたり、炊飯器で炊いたりする調理が簡単なことと、おやつに小さなサツマイモを食べる習慣があるからです。
現在では、香港・台湾・シンガポールなどのアジア地域を中心に、ドイツやイギリスなどのヨーロッパにも販路を拡大しているそうです。
2020年1月1日に不平等条約とも言われる「日米貿易協定」が発効しましたが、日本の農家の人も、「外国から安い農産物が大量に入ってきたら、日本の農業は壊滅的打撃を受ける」というステレオタイプの発想を捨てて、広く海外にも目を向け、ピンチをチャンスに変えて農産物の輸出拡大に活路を見出すべきではないかと私は思います。
たとえば米農家については、海外での和食文化の流行でコメの輸出も有望なため、大規模農地でドローンを使った除草剤の散布や、AIを駆使したブランド米の創出などの試みも始まっています。これをさらに推し進めて行く必要があると思います。