「死語」になった「残しておきたい美しい日本語」

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折り梅

以前、「快晴の青空」を表す俗語「ピーカン」が広辞苑に掲載されるようになったにも拘わらず、今や「死語」同然になっている(撮影現場では、今でも使われているのかも知れませんが)という記事を書きました。

「既に使われなくなった言葉」としての「死語」には「赤紙」「銃後」「女子挺身隊」などの太平洋戦争中の言葉や「洗濯板」「日光写真」「幻灯機」などの昔の生活用品・玩具を表す言葉、「あじゃぱー」や「ナウなヤングにバカ受け」のように今は廃れた流行語などがあります。

1.残しておきたい美しい日本語

これらとは違いますが、私が本を読んでいて、「良い言葉だな」と印象に残っているもので、広辞苑にも古語辞典にも載っていない言葉が、二つあります。「残しておきたい美しい日本語」です。

(1)傘傾(かし)げ

一つ目は、「傘傾げ」です。これは狭い道で傘をさしてすれ違う時、お互いに傘を傾けて相手に当たらないようにする動作を指す言葉です。何かのエッセーに出ていたように思います。このような動作は、江戸時代に遡るまでもなく、現代でも行っていることですが、こういう奥ゆかしい細やかな仕草を表す言葉があったというのは驚きです。

(2)折り梅

二つ目は、「折り梅」です。梅は折れても枯れても花を咲かせることから名付けられたものです。誰かの本で読んだように思ったので、今回調べて見ると「折り梅」というタイトルの映画がありました。同居する夫の母がアルツハイマー型認知症となり、その対応に戸惑い、一度は家族崩壊の危機に直面しながらも、いつしか現実と向き合う中で様々な葛藤を経て再生していく家族の姿を描いた作品です。映画の中の台詞に「梅は枝を折って活けても、皮から養分を吸って咲き続けるから『折り梅』と言うんだよ」とあるそうです。人間もどんな境遇になっても大切に生きて行けば、花を咲かせることが出来るということでしょう。

そして、今回調べて分かったのですが、この映画に出演していた吉行和子さんの著書「老嬢は今日も上機嫌」という本の中で紹介していた言葉が、この「折り梅」でした。

2.最近の女子高生の言葉

最近の女子高生の言葉は、我々団塊世代には「ちんぷんかんぷん」のものが多いですね。話が脱線しますが、「ちんぷんかんぷん」という言葉は江戸時代から使われており、「珍粉漢粉」とか、「珍糞漢糞」など色々な漢字があてられますが、しぶとく生き残っている言葉です。

女子高生言葉の例ですが、「超BM」は超馬鹿丸出し、「ミートバイバイ」は肉離れ、「ウーロン茶」はウザいロン毛で茶髪の男子のことだそうです。これらの若者言葉も数年も経つと新顔の言葉に取って代わられるのでしょう。

4.昔の女子学生の言葉

女子学生は、昔からこういう新語作りが好きなようです。私が中学生の時、国語の先生から聞いた話です。昭和30年の頃、先生がバスを待っていると、女学生たちが話していて、道路の反対側を「目顔」で指して、「あの男の人、メーテルリンクしてる」と言ったのです。聞いてみると、「あの男の人が、チラチラこちらを見てる」ということだったのです。メーテルリンクの名作童話「青い鳥」の主人公「チルチルミチル」にちなんで作った新語だったのです。

「団塊世代」という言葉も、50年後には「死語」になっているかもしれませんね。「団塊世代」の「死後」の話ですから、我々には関係ありませんが・・・