大坂なおみさんの「コーチ解任騒動」と「元コーチによる提訴」について思うこと

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サーシャ・バイン

サーシャ・バインコーチのもとで、全米・全豪とグランドスラム2連勝を飾り、世界ランク1位に上り詰めた大坂なおみさんが、サーシャ・バインコーチを解任したというニュースは世界に衝撃を与えました。

彼女がその理由を明らかにしなかったことと、その後の不振がさらに憶測を呼ぶ結果となったようです。

さらに、今度はジュニア時代にテニスの指導を受けた「元コーチ」のクリストフ・ジーン氏から、「獲得賞金の20%を永久に支払う契約書がある」として、2億円の支払いを求める訴訟を起こされたとのニュースがありました。

1.コーチ解任騒動

サーシャ・バインコーチは、試合の合間に彼女のもとに駆け寄って、「メンタル面でのアドバイス」をしている姿をテレビでたびたび目撃しました。

彼女は実力があるのに、プレーが思うようにいかないと、苛立って自滅する悪い癖があったようですが、サーシャ・バインコーチはそれをうまくカバーして、立ち直らせグランドスラム2連勝・世界ランク1位に導いた功労者であることは疑う余地がありません。

しかし、彼女は以前から、彼の「技術面の指導」については不信感を持っていたようで、もっと高度な技術面の指導ができるコーチを求める気持ちがあったようです。

確かに彼は、セリーナ・ウィリアムズやキャロライン・ウォズニアッキの「ヒッティング・パートナー」(練習相手)を務めたことはありますが、「本格的なコーチ」は大坂なおみさんが初めてだそうです。

そんな状況の中で、サーシャ・バインコーチから「コーチ料の倍増」を要求されたため、「解任」に至ったという噂もあります。しかし、公式には何も発表されていません。

「解任」後の不振は、世界ランク1位になった後のマスコミの追っかけや、対戦相手によって弱点が研究され始めたことのほか、このような騒動による心労も影響しているかも知れません。

2.元コーチによる提訴

彼女がジュニア時代の数年間指導を受けた「元コーチ」のクリストフ・ジーン氏は、当時彼女の父親が「コーチ料が払えない」と言ったので、「将来獲得する賞金の20%を支払う」という「出世払いの契約書」を結んだと主張し、彼女の側がこれを受け入れなかったため、提訴したとのことです。

しかし、彼女の弁護士によれば、この契約書は「月日だけで年の記入がない」「架空の契約書」で、彼女がサインした覚えもなく、「姉妹のサインが同一筆跡」であり、ばかげた訴えだと話しています。

確かに「将来獲得する賞金の20%を、ジュニア時代に数年間指導しただけのコーチに永久に支払う契約」など、もし父親が本当にその当時サインしたのだとしても、「公序良俗に反する」「たかり」のような契約だと私は思います。

裁判所は「公正な判断」を下すと思われますが、それにつけてもお金が入ると「蟻が砂糖に群がる」ように、人が集まってくることをまざまざと示す実例です。

「高額の宝くじに当たる」と、どこから情報が洩れるのか、「寄付の依頼が急に増える」という話も聞いたことがあります。

またそういう「たかり」に遭わないまでも、急に大金を手にすると「人生が狂う」という話も聞きます。もし、心当たりのある方がおられましたら、十分ご用心ください。

3.大坂なおみさんの今後の課題

今後は、新しいコーチのジャーメイン・ジェンキンス氏のもとで、再び明るい笑顔で活躍してほしいものです。

ただそういう期待とは裏腹に、その後の彼女の試合を見ていると、ミスすると「キレる場面」や「ラケットをコートにたたきつける場面」をたびたび目撃します。このような行為は、錦織圭選手にも時々見られますが、見苦しく観客にとっても気分のよいものではありません。

道具を大切に扱うイチロー選手と対照的です。「道具に当たってどうするんだ!?」と言いたいところです。せっかくサーシャ・バインコーチから「メンタル面の強化」の指導を受けていたはずなのに「元の木阿弥」かと失望してしまいます。

新しいジャーメイン・ジェンキンスコーチもバインコーチと同じように、彼女のそばに駆け寄って「メンタル面のアドバイス」をしている姿がテレビで放映されていました。

素人考えかも知れませんが、今の彼女に必要なのは、高度な技術面のコーチよりもバインコーチのようなメンタル面のコーチのような気がします。

それと、このスランプを克服するためには、最終的には彼女自身が変わる(大人になる)ことが必要だと思います。ゴルフの宮里藍選手も言っていましたが、メンタル面の強化は一流アスリートが避けて通れない課題です。

<2020/9/13追記>大坂なおみさん!二度目の全米オープン優勝おめでとう!!

ベラルーシのビクトリア・アザレンカにフルセットの末勝って優勝しました。これでグランドスラム3回優勝です。世界ランクも9位から3位に上がります。

今回は「黒人差別に対する抗議の意思表示」として「犠牲者の名前を書いた黒いマスク」(合計7人)で登場したことでも注目を集めました。また勝利後のスピーチでもそのことを全世界にアピールしました。

今回の全米オープンでは、崩れそうになっても立て直すなどメンタル面が強化されたように感じました。