ワクチンは接種後効果はいつから出るのか?持続期間は?変異株への有効性は?

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ワクチンの効果持続期間

コロナワクチンについては、「ワクチンはファイザー・モデルナに限定し、アストラゼネカは購入キャンセルを!」、「コロナワクチン接種の優先順位を上げるべき職種がまだある。政府は見直しを!」、「コロナ感染後、中和抗体が1年間も持続との研究結果は朗報!ワクチン接種に弾み」、「コロナワクチン接種と副反応。ゼロリスク信仰とSNSのデマ情報の問題」、「コロナワクチンの交差接種は有効なのか?安全性に問題はないのか?」など多くに記事を書いてきました。

しかし現時点での多くの国民の関心事は、「コロナワクチン接種後の効果発生時期」と「コロナワクチンの効果持続期間」および「コロナワクチンの変異株への有効性」だと思います。

1.コロナワクチン接種後の効果発生時期

(1)1回目のワクチン接種後の感染例

厚労省の研究班によると、今年2月に新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた医療従事者の女性が、1回目の接種後に感染が確認されました。報告が入ったのは、女性が1回目の接種を受けた6日後で、接種後に感染した可能性が高いということです。

ワクチンの専門家は、「1回目のワクチン接種から免疫が働くまでには10日間から2週間はかかると話しています。そして、接種後も感染対策を続けるよう呼びかけています。

(2)ファイザー社の臨床試験結果

ワクチン接種効果の発生時期

新型コロナウイルスのワクチンに限らず、ワクチンは人の免疫反応を引き出すことで効果を得るため、接種してから実際に効果が出てくるまでには一定の時間がかかります。

ファイザーとビオンテックが開発した新型コロナワクチンでは、去年行われた臨床試験の結果が論文にまとめられています。

臨床試験では、ワクチンの接種を受けた人と、「偽薬(プラセボ)」と呼ばれる偽の薬を投与された人との間で、新型コロナウイルスに感染・発症した人数の増え方を比較しています。

その結果、1回目の接種からしばらくはワクチン接種をした人も、偽薬を投与された人でも、発症数は同じペースで増えます。

しかし1回目の接種から12日経った頃からは、偽薬を投与された人では相変わらず発症する人は増えていきますが、ワクチンを接種した人では増え方が緩やかになり、その後はほとんど増えなくなっています。

論文によると、1回目の接種から2回目に接種するまでの期間では、ワクチンの効果は52.4%だったということです。

また2回目の接種を受けてからさらに7日経った以降の効果は、94.8%だったということです。

(3)ブレイクスルー感染

新型コロナワクチンを2回接種したにもかかわらず、新型コロナウイルスに感染してしまった」という症例を、英語で「突破する」「突き抜ける」という意味の「ブレイクスルー(break through)」という言葉を使って「ブレイクスルー感染」と呼び、その発生状況はアメリカの医学雑誌にも報告されています。

米疾病対策センター(CDC)は、「米食品医薬品局(FDA)が承認した新型コロナワクチンの接種を完了してから14日以上経ってから陽性反応が出たケース」を「ブレイクスルー感染」と定義しています。

そしてCDCのウェブサイトで2021年1月1日から4月30日までの「ブレイクスルー感染」の発生状況を公表しています。

ワクチン接種を完了したアメリカ人約1億100万人のうち、「ブレイクスルー感染」が確認されたのは、1万262人で、ワクチン接種完了者全体の0.01%でした。

そして、ブレイクスルー感染した人(1万262人)のうち入院者は995人(9.7%)、死亡者は160人(1.6%)でした。なお、入院者995人のうち、289人は新型コロナ感染症以外の理由で入院したとされています。(表1)

ブレイクスルー感染

2.コロナワクチンの効果持続期間と変異株への有効性

加藤官房長官は、今年6月の記者会見で「新型コロナウイルスワクチンについて、長期の有効性データは十分に得られていない」と話しました。

確かに現在のところ、ワクチン接種後のデータは世界でも8ヵ月分ほどしかありません。そのため、それ以上、たとえば1年間ぐらい予防効果があるかどうかは専門家でも断定できません。

ただし過去のインフルエンザワクチンなどの経験からすると、新規のワクチンであっても、2回接種していれば1年ほど持つのではないかという推定はできます。

少なくとも今回2回接種しておけば抗体はできますので、仮に1年後に接種が必要だとしても、その時は1回の接種で抗体ができると考えられています。

(1)ファイザー社製ワクチン

米製薬大手ファイザーは2021年4月に、同社の新型コロナウイルスワクチンについて、「2回目の接種から最大半年後までの有効性が91.3%あった」とする臨床試験(治験)の分析結果を発表しました。つまり効果持続期間は6ヵ月ということです。

また、世界で急速に広がる「変異株」のうち、ワクチンの効果を弱める恐れが指摘されている「南アフリカ株」にも、一定の予防効果が示されたとしています。

ワクチンの効果がどれだけ持続するかは、新型コロナの発症や感染予防の観点から注目されてきました。同社はそれまで、発症リスクを95%下げる効果が確認されたとしてきましたが、長期間での効果はよくわかっていませんでした。

同社は治験に参加した約4万6千人を対象に、2回目のワクチン接種後7日から6ヵ月までの感染の有無を調査しました。

その結果、927人の感染が確認され、このうちワクチン接種者は77人、実接種者は850人でした。ワクチン接種による深刻な副作用は認められなかったということです。

また南アフリカで800人を対象に調べたところ、感染者の9人は全員ワクチン接種を受けていませんでした。このうち6人は南アフリカ株に感染していました。

(2)モデルナ社製ワクチン

モデルナのワクチンについては、「2回接種後に最低でも3ヵ月間は十分に抗体の量が維持される」ことがわかっています。

さらに長い期間の効果持続も期待されていますが、どれほど効果が持続するかについての調査は現在進行形で行われています。

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