「RSウイルス感染症」とは?わかりやすくご紹介します。

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RSウイルス感染症

現在日本では「新型コロナウイルス」の「デルタ株」が猛威を振るっていますが、今度はペルー由来の「ラムダ株」が脅威となりそうな気配があります。

最近はこのほかに、「RSウイルス感染症」という言葉をよく聞くようになりました。

この「RSウイルス感染症」は乳幼児が感染する病気で、小さなお子さんを持つパパやママは心配なことだと思います。

今回は「RSウイルス感染症」についてわかりやすくご紹介したいと思います。

1.「RSウイルス感染症」とは

(1)概要

RSウイルス感染症」とは、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。

ちなみに「RS」は、「Respiratory Syncytial(=呼吸器の合胞体)」の略です。ウイルスに感染すると、呼吸器の細胞が合わさって一つになることから、このように名付けられました。

何度も感染と発病を繰り返しますが、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染するとされています。

9月頃から流行し、初春まで続くとされてきましたが、近年では夏季から流行が始まるようになってきています。

非常に感染力が強く、幼稚園や保育園などの「施設内感染」に注意が必要です。

RSウイルスは、RSウイルスに感染している人の咳やくしゃみ、または会話をした際に飛び散るしぶきを浴びて吸い込むことで感染します。

感染の多くは、この「飛沫感染」によると考えられますが、ドアノブなどの表面に付いたウイルスへの接触により、鼻や口などの粘膜や傷口などを通して感染する「接触感染」もあります。

なお、成人がRSウイルスに感染した場合、風邪のような症状であることが多いため、RSウイルス感染者であると気付かないことがあります。

したがって、咳などの呼吸器症状がある場合は、できるだけ0歳~1歳児との接触を避けることが乳幼児の発症予防につながります。

また、RSウイルスに感染した乳幼児を看護する保護者や医療スタッフがRSウイルスに感染した場合、一度に大量のウイルスに晒されるため、重症化することもあります。

RSウイルスは高齢者においても重症の下気道炎を起こす原因となることが知られており、特に介護施設内などでの集団発生が問題となる場合があります。

(2)症状

発熱、鼻水などの症状が数日間続きます。多くは軽症で済みますが、咳がひどくなる、「ゼーゼー、ヒューヒュー」という喘鳴を伴った呼吸困難が出るなどの症状がある場合は、細気管支炎、肺炎へと進展することがあり注意が必要です。

潜伏期間は2~8日、典型的には4~6日です。初めて感染する乳幼児の約7割は、数日のうちに軽快しますが、約3割は咳が悪化し、喘鳴、呼吸困難症状などが現れます。

早産児や生後24ヵ月以下で心臓や肺に基礎疾患があったり、神経・筋疾患や免疫不全の基礎疾患がある感染者の場合、重症化リスクが高まります。

重篤な合併症として注意すべきものには、無呼吸発作、急性脳症などがあります。

(3)かかった時の対処法

RSウイルスには有効な抗ウイルス剤がなく、対症療法(症状を和らげる治療)、重症化した場合には酸素投与、補液(点滴)、呼吸管理が行われます。

2.「RSウイルス感染症」予防策

RSウイルス感染症・予防策

(1)手洗い・うがいを徹底する

RSウイルス感染症は、飛沫や手指を介して感染するため、十分な手洗いと手指消毒が重要です。

また、外から帰った後はうがいの習慣を持ち、予防に努めましょう。

(2)咳などの症状がある人はマスクを着用する

咳などの症状がある人はもちろんですが、空気が乾燥している時などはマスク着用の習慣を持ち、予防に努めましょう。

(3)乳幼児が触れるものは、こまめにアルコール消毒をする

家庭内感染を防ぐために、「手」がよく触れる場所などは、こまめに洗浄・除菌を行いましょう。

(4)人混みはできるだけ避ける

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