意外と知らない物や現象の名前(その3)乳、擬宝珠、グローブジャングル、カスケードなど

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梵鐘の乳

前に「意外と知らない物の名前や現象の名前」「同(その2)」の記事を書きましたが、まだまだ面白い例がありますので(その3)としてご紹介します。

1.乳(ち/にゅう)

お寺などにある梵鐘(ぼんしょう)に付いている小さな突起(ボコボコ)の名前はなんでしょうか?

釣鐘の表面上部に多数並んでいるいぼ状の小突起は「乳(ち・にゅう)」といいます。釣鐘の中でも寺院にある大きな鐘は梵鐘(ぼんしょう)といい、大晦日に鳴らす除夜の鐘としても知られています。

この梵鐘の表面上方の「乳」が並んでいる部分は「乳の間(ちのま)」「乳の町(ちのまち)」とも呼ばれ、煩悩の数と同じく「乳」が108個並べられたものが多いそうです。

「乳」には音響効果を大きくする役割があります。

2.擬宝珠(ぎぼし/ぎぼうしゅ)

擬宝珠

橋や神社、寺院の階段、廻縁の高欄(手すり、欄干)の柱の上に設けられている伝統的な建築物の飾りのことを「擬宝珠」と言います。

ネギの花に似ていることから「葱台(そうだい)」とも呼ばれます。

起源は諸説あり、一つは「仏教における宝珠から来ている」とするものです。宝珠は釈迦の骨壺(舎利壺)の形とも、龍神の頭の中から出てきたという珠のこととも言われ、地蔵菩薩などの仏像が手のひらに乗せているものです。 この「宝珠を模した形」から「模擬の宝珠」という意味で擬宝珠と名付けられたというものです。

もう一つは「ネギのもつ独特の臭気が魔除けにもなる」と信じられ、その力にあやかって使われるようになったとする説であり、「擬宝珠という用字は葱帽子、葱坊主に後から付けられた当て字」であるとするものです。橋や神社など仏教建築以外でも使われることの説明にもなります。

余談ですが、「ギボウシ(擬宝珠)」という名前の植物もあります。これはこの植物のつぼみ、または包葉に包まれた若い花序が擬宝珠に似ることに由来します。

ギボウシつぼみギボウシ花

3.グローブジャングル(グローブジャングルジム)

グローブジャングル

公園にあるぐるぐる回して遊ぶやつは「グローブジャングル(GLOBE JUNGLE)」と言います。虹色の「地球儀型回転遊具」(地球儀型ジャングルジム)です。

GLOBEは「地球儀、地球」という意味で、「グローバル ネットワーク」などという言葉がよく使われていますね。

最近は危険という理由で撤去されることが多く、あまり見かけなくなりました。

4.カスケード

カスケード

庭園などに在りそうな、連続している小さな滝のことを「カスケード(CASCADE)」と言います。街中でもビルのエントランスの噴水のオブジェなどで目にする事が出来ます。

CASCADEのもともとの意味は、「連なった小さな滝」のことです。建築分野では人工的に作ったものを指します。

5.透かしブロック

透かしブロック

向こう側が透けて見えるブロック塀のことを「透かしブロック」と言います。

これは「塀の風通しをよくする」ためのものですが、「アクセント」の意味もあります。

6.トップスター

トップスター

クリスマスツリーのてっぺんにある星の名前は「トップスター」です。そのまんまの名前です。キリスト教における「ベツレヘムの星」を模したものです。

7.キャンディケイン

キャンディケインキャンディケイン・クリスマスツリー

クリスマスツリーによく飾られている、杖の形をした、硬いキャンディのことを「キャンディケイン(CANDY CANE)」と言います。

CANEは「杖」という意味です。

8.だるま太陽

だるま夕日

「だるま太陽」は.は太陽の蜃気楼現象の一種で、水平線に朝日や夕日が「だるま」のように歪んで見える現象です。達磨太陽、オメガサン、だるま朝日、だるま夕日、達磨朝日、達磨夕日とも言われます。

9.クリプトムネジア現象(クリプトムネシア現象)

クリプトムネジア

過去に本で読んだり人から聞いたりした話を、まるで自分自身が体験したかのように思い込んでしまうことを「クリプトムネジア現象(クリプトムネシア現象)」と言います。「無意識の剽窃(ひょうせつ)」とも呼ばれます。

自分で考え出したと思っていた曲や詩やアイデアが、世に出してみると「すでにあるものと酷似している。盗作だ」と指摘されてしまうことが時々あります。

これは意図した盗作でない場合があります。本人が、記憶したことを忘れているが、しかし記憶がある場合、「思い出した」にも関わらず、「思いついた」と思い込むことが原因です。

谷村新司の「昴の創作秘話」を聞くと、石川啄木の「悲しき玩具」を真似たというよりも、この詩が彼の心に沁み込んでいたからかもしれないと思ってしまいます。

三島由紀夫の自伝的小説「仮面の告白」に、「自分が生まれた時の様子をはっきり覚えている」という描写があります。しかし「誕生時の記憶がある」というのは常識的には考えにくいので、周りの人から聞いた自分の誕生時の様子を、自分が記憶していると思い込んだのではないかと思います。

10.シャルパンティエ効果

シャンパンティエ効果

1キロの鉄と1キロの綿どっちが重い?と聞かれると鉄と答えたくなりますね。

このように同じ重さなのにイメージで重そう軽そうと錯覚してしまう(体積の大きい綿の方が軽く感じる)効果を「シャルパンティエ効果」と言います。

「業界で第3位のシェア」より、「当社の製品を3人に1人が利用」、「2個買うと1個無料」より、「実質1個無料」の方が同じ意味でもお得に感じるのも「シャルパンティエ効果」です。

フランスの医師オーグスチン・シャルパンティエ(Augustin Charpentier)(1852年~1916年)が、仮説を検証したことにより「シャルパンティエ効果」と呼ばれています。

11.ネームレター効果

ネームレター効果

自分の名前に似ているもに対し、無意識に好意を持ちやすくなる効果を「ネームレター効果」と言います。

誰かと会話をするときには、言葉の端々に、話しかける相手の名前を入れるようにすると、好感度がアップすると言われています。

たとえば、「この企画おもしろいですよ、○○さん」「ところで△△さん」という具合に、バンバン相手の名前を呼ぶのです。これは、心理学で「ネームコーリング」と呼ばれるテクニックで、「ネームレター効果」を利用したものです。

12.カルトン

カルトン

お店のレジや銀行の窓口にあるお金や通帳を出したり、釣銭やレシートを受け取ったりする「トレイ」のことを「カルトン」と言います。

「カルトン」(carton)はフランス語で、別名に「金盆(きんぼん)」「キャッシュトレイ」「コイントレイ」「釣り銭トレイ」があります。

英語では同じ綴りで、発音は「カートン」(carton)です。「厚紙製の箱」や「一定数の製品を紙箱に詰めたもの」という意味もあります。タバコ10箱を詰めた紙箱を「1カートン」と言いますよね。

13.サッカー台

サッカー台

スーパーなどの小売店において、レジを通過した先にある購入者用の作業台のことを「サッカー台」と言います。

客がこのスペースを使って、決済済み商品をカゴから出して買い物袋(レジ袋や自前の買い物袋)に詰めたりする台です。

日本語名としては、「サッカー」と「荷作り」の語呂合わせから来る「作荷台(さっかだい)」 「サッカ台」 という異称もあります。

「サッカー台」という日本語名称の由来については、イギリス英語で「袋詰め作業をする店員」を[ sack + -er ]という語構成で「sacker(サッカー)」ということから、次のような語源説があるものの、いずれも確定的資料はありません。

①日本語で「荷作りするための台」という意味の「作荷台」と、英語の 「sacker」 から派生した「サッカー台」が混同されている

②日本にスーパーマーケットが普及するにあたり、英語 「sacker」 から派生した当て字として「作荷台」という用語が生成された

スーパーマーケットの業務文章、什器メーカーのカタログ、店内に掲示される客用の文章では、「サッカー台」と「作荷台」のいずれかまたは両方の表記が見られ、統一されていません。

なお、イギリス英語でいうところの 「sackerアメリカ英語では[ bag + -er ]という語構成で「bagger(バッガー)」 と言いますが、欧米のスーパーマーケットには日本のサッカー台に相当するものはなく、ウォルマートやターゲットなどといったアメリカの小売店では 「checkout counter(チェックアウトカウンター)」 と呼ばれるレジのテーブルがサッカー台を兼ねていることが通常です。

日本でもコンビニエンスストアやドラッグストアには、ここでいうのと同じ「チェックアウトカウンター(勘定台)」があるだけで、サッカー台は設けられていません。

そういうわけで私などはドラッグストアで多くの買い物をした時は、「チェックアウトカウンター(勘定台)」で店員に袋詰めしてもらっています。

14.ディスペンパック

ディスペンパック

ケチャップとマスタード、あるいはジャムとマーガリンなど、指でつまむと真ん中からパキッと割れて2種類が同時に出てくる容器のことを「ディスペンパック」と言います。「Dispense(分配する)」と「Pack(包み・パック)」を組み合わせてつくられた言葉です。

この「ディスペンパック」があるのは日本だけです。日本人らしい工夫ですね。

15.オットマン

オットマン

ソファや椅子と一緒に使う足置きのことを「オットマン」といいます。フットストールフットスツール(footstool)とも呼ばれる。

「オットマン(Ottoman)」という名前はオスマン帝国に由来しています。



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