「抒情詩」と「叙事詩」の違いは?「抒情詩」を「叙情詩」と書くのは本当は誤り

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決定盤抒情歌叙事詩

皆さんは「抒情詩」と「叙事詩」の違いをご存知でしょうか?

それともう一つ、「抒情詩」を「叙情詩」と書くのは本当は誤りだということをご存知でしょうか?

1.「抒情詩」と「叙事詩」の違い

(1)「抒情詩」

抒情詩」は、「作者の心情や思い・メッセージなどが込められた詩」のことです。

「情」は、「感情」や「心情」を指します。

石川啄木三好達治高村光太郎室生犀星などの抒情詩が有名です。

(2)「叙事詩」

叙事詩」は「歴史上の人物や出来事などを書いた詩」のことです。

「叙事詩」の内容は、神話・伝説・歴史的事件・英雄の事績などで、語り部が詩(韻文)の形で伝えたもので、基本的には物語になっています。

元々、「叙事詩」は古代ギリシャにおける事件や出来事などをテーマとして書かれていました。

現存する世界最古の「叙事詩」は、古代メソポタミアの文学作品である「ギルガメシュ叙事詩」だと言われています。

その後、ホメーロスが作った「イーリアス」や「オデュッセイア」、ダンテの「神曲」、ミルトンの「失楽園」などで世に大きく広まったという経緯があります。

日本においては、中世の「平家物語」や「太平記」、アイヌ伝説の「ユーカラ」などが「叙事詩」の特徴を持っています。

2.「抒」という漢字の成り立ち

「抒」という漢字は、「釣瓶で井戸の水を汲み上げること」がもとの意味で、そこから意味が広がって「心の中にある感情を汲み出して、外に表出すること」を「抒情」と言うようになったのです。

3.「叙」という漢字の成り立ち

叙という漢字の成り立ち

一方、「叙」という漢字は、「物事を順序立てて処理すること」を意味し、「叙述」とは「物事を順序に従って記述していくこと」で、「歴史的事実や神話などを順序立てて表現する行為」を「叙事」と呼ぶのです。

「叙」は「会意兼形声文字」(「余+又(攴)」)です。

「先の鋭い除草具」の象形(「自由に伸びる」の意味)と「ボクッという音を表す擬声語と右手の象形」(「手でボクッと打つ、たたく」の意味)から、「たたいて制裁を加えながら伸ばす」、「官職や勲位を授ける」を意味する「叙」という漢字が成り立ちました。

「叙」は「敍」の略字です。「敍」は「叙」の旧字です。

4.「抒情詩」を「叙情詩」と書くようになったのは戦後の「国語改革」の結果

上記のような「抒」と「叙」の漢字の成り立ちの違いから見て、「抒情詩」を「叙情詩」と書くのはおかしい、本当は誤りなのです。

しかし、戦後の「国語改革」で「抒」が「当用漢字」に入れられなかったため、「叙情詩」と書かれることも多いのです。

このような「漢字の本来の意味を無視」する結果を生んだ戦後の「国語改革」は、誤りで愚策だったと私は思っています。

「障碍者」を「障害者」と書くようになったのも同様な過ちです。



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