スペイン語由来の「外来語」(その2:国名)エクアドル・エルサルバドル・コスタリカ・ドミニカ

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エクアドル

古来日本人は、中国から「漢語」を輸入して日本語化したのをはじめ、室町時代から江戸時代にかけてはポルトガル語やオランダ語由来の「外来語」がたくさん出来ました。

幕末から明治維新にかけては、鉄道用語

はイギリス英語、医学用語はドイツ語、芸術・料理・服飾用語はフランス語由来の「外来語」がたくさん使われるようになりました。

日本語に翻訳した「和製漢語」も多く作られましたが、そのまま日本語として定着した言葉もあります。たとえば「科学」「郵便」「自由」「観念」「福祉」「革命」「意識」「右翼」「運動」「階級」「共産主義」「共和」「左翼」「失恋」「進化」「接吻」「唯物論」「人民」などです。

帝国主義」による植民地支配の結果、ラテンアメリカ・カリブ海地域にはスペイン語由来の国名がいくつかあります。1492年にクリストファー・コロンブスがアメリカ大陸に到達して以降、スペインやポルトガルによるアメリカ大陸の植民地化が進み、各地でスペイン語やポルトガル語の地名が付けられ、やがて国名になったからです。

そこで今回は、日本語として定着した(日本語になった)スペイン語由来の「外来語」(その2:国名)をご紹介します。

1.エクアドル(Ecuador)

「エクアドル」はスペイン語で「赤道(ecuador)」という意味があります。 首都のキトが赤道直下にあることから名付けられました。

スペイン語の「赤道」と「国名」は同じEcuadorですが、英語の場合では「赤道」はequa”t”or、「国名」はEcua”d”orで、スペルが微妙に異なります。

エクアドルはチャールズ・ダーウィンが進化論について著した『種の起源』のヒントになったガラパゴス諸島がある国として有名です。

2.エルサルバドル(El Salvador)

「エルサルバドル」は、スペイン語で「救世主(el salvador)」という意味があります。

元々、16世紀頃にこの地を占領したスペイン人征服者のペドロ・デ・アルバラード(Pedro de Alvarado)は、イエス・キリストの名前にちなんで「聖なる救世主」を意味する「サンサルバドル(San Salvador)」と名付けました。

その後に地名が拡張され、「世界の救世主である、私たちの主イエス・キリストの州」を意味する「Provincia De Nuestro Señor Jesus Cristo, El Salvador Del Mundo」と呼ばれました。

地名が長すぎたことが原因かはわかりませんが、後に現在の国名である「エルサルバドル(El Salvador)」に縮小されました。

ややこしいですが、エルサルバドルの首都はサンサルバドルです。エルサルバドルは「救世主」、サンサルバドルは「聖なる救世主」という意味です。

スペイン語でエル(el)は定冠詞、サン(san)は「聖なる」を表します。ちなみに、南北アメリカの国では最も面積が小さい国です。

3.コスタリカ(Costa Rica)

「コスタリカ」は、スペイン語で「豊かな海岸(costa rica)」という意味があります。

costaは「海岸」、ricaは「豊かな」を意味します。アメリカ大陸に到達したクリストファー・コロンブスが、きらびやかな黄金の装飾具を身につけた先住民と出会ったことに由来するそうです。

コスタリカは首都をサンホセに置く中央アメリカの国で、他のラテンアメリカの国と比べて政治、経済、民主主義が安定しているため「中米の楽園」とも呼ばれています。2020年度の「報道の自由指数」では世界7位、2019年度の「世界幸福度報告」では12位で、ラテンアメリカの中では抜きん出ています。軍隊を持たないことでも有名です。ただ、国境警備隊はいます。

4.ドミニカ共和国(República Dominicana)

「ドミニカ共和国」は、スペイン語で「日曜日」を意味する「domingo(ドミンゴ)」が語源です。

1496年にコロンブスの弟のバルトロメ(Bartolomé Colón)によって「サントドミンゴ」という街が建設されたことに由来します。この名前は、ドミニコ会の創設者のドミニコ(Santo Domingo de Guzmán)に敬意を表して名付けられました。

ドミニカ共和国は首都をサントドミンゴに置くカリブ海・西インド諸島のイスパニョーラ島東部に位置する国です。首都にもドミンゴがついています。公用語はスペイン語です。

1492年にクリストファー・コロンブスがヨーロッパ人として初めて上陸し、「スペインの島(La Isla Español)」と新たに名付けました。現在ではラテン語由来の発音で「イスパニョーラ島(Hispaniola)」と呼ばれています。

ドミニカ共和国があるイスパニョーラ島ですが、西側にはハイチが位置しています。綺麗に二つに分割していますが紆余曲折があったようです。簡単にまとめると、この島は長らくスペインの支配下だったものの、スペイン人の関心がメキシコやペルーに移ったため放置され、1697年には西部がフランス領に、1804年には黒人指導者のもとで「ハイチ」になりました。その後、1844年にハイチから独立、1861年にスペインに併合されるも1865年には再度独立し、現在の「ドミニカ共和国」になりました。カリブ海の歴史は、スペイン、イギリス、フランス、オランダなどのヨーロッパの国々が入植し、非常に複雑です。

5.ドミニカ国(Dominica)

ドミニカ国はスペイン語で「日曜日」を意味する「domingo(ドミンゴ)」が語源です。 1493年にクリストファー・コロンブスが島に来航した日が日曜日だったことから「ドミニカ島」と命名したそうです。日曜日はキリスト教では安息日なので特別な日でもあります。

ドミニカ国は首都をロゾーに置くカリブ海・西インド諸島のドミニカ島にある島国です。ラテンアメリカ諸国の3分の2はスペイン語が公用語ですが、ドミニカ国の公用語は英語です。

似たような名前の「ドミニカ共和国」の公用語はスペイン語です。というのも、コロンブスがこの島を発見して以降はスペイン人が定住していましたが、他のヨーロッパの国からも入植者が来てスペイン人は追い出されてしまいました。その後、イギリスとフランスで領土争いをしましたが1805年にイギリスが勝ち、ドミニカ国はイギリス領になりました。1978年にはイギリス連邦の一つとして独立し、現在の「ドミニカ国」になりました。

ちなみにドミニカ国は自然の多さから「カリブ海の自然の島(Nature Isle of the Caribbean)」とも呼ばれています。あのパイレーツ・オブ・カリビアンのロケ地にもなったそうです。