1.現代の天才たち
かの有名な発明王エジソンに、「天才は、1%のひらめきと99%の汗(努力)」という名言があります。皆さんもお聞きになったことがあるでしょう。
英語の原文は「Genius is 1 percent inspiration and 99 percent perspiration.」です。「インスピレーション(ひらめき、霊感)」と「パースピレーション(汗をかくこと、努力)」とよく似た語感の言葉が対比されていて面白いですね。
この言葉は、一般には「いくら天才でも、努力なくして成功なし。ましてや凡人においてをや」と理解されています。
しかしこれは誤訳で、本当は「1%のひらめきがなければ、99%の努力も無駄である」ということなのだそうです。「そもそも才能がなければ、逆立ちしても無理」ということです。
閑話休題。現代にも、「天才」と思われる人々がたくさんいます。 美空ひばり、テレサテン、カレン・カーペンター、長嶋茂雄、イチロー、大谷翔平、藤井聡太、錦織圭、等々。
私たちが生きている間に、彼らの神業的な活躍を見聞きできるのは、大変すばらしいことだと思います。
彼らは、もちろん人知れず努力もしているでしょう。しかし凡人がいくら逆立ちしても到底及ばない境地に、それぞれの分野で到達していることは間違いありません。
「ノーベル物理学賞」や「ノーベル化学賞」を受賞するような「天才科学者」も、天才には違いないと思いますが、私にはその業績がどういうものなのかさっぱり理解できないケースが多いので、天才の実感が湧かないのです。悪しからず。
戦前の人では、南方熊楠という博物学の天才がいます。彼は実に博覧強記で、何カ国語も自由に使える語学の天才でもあったそうです。
南方熊楠には「ある日友達の家に行って、所蔵されてあった百科事典を読んで、全てを理解し、かつ記憶してしまった」という逸話もあります。
2.「東大王」は現代の天才か?
最近、毎週日曜日に放送されている「東大王」というクイズ番組がありますね。
あれに出場しているのは、「東大最強の知識王」伊沢拓司とか「東大医学部のプリンス」水上颯とか「IQ165の天才」鶴崎修功とか「スタンフォード大学が認めた才媛」鈴木光などと呼ばれる現代の天才たちです。脳のキャパシティーが半端じゃないなと、感心します。
私は、以前は「東大生」というのは、勉強は大変よく出来るけれど、暗記だけで、独創性や発明の才能などは劣る「ガリ勉タイプ」だと思っていました。
これは、ひところ「教育評論家」なる人達が、馬鹿の一つ覚えのように、東大生や東大卒が多い官僚たちを貶していたのが、脳に刷り込まれていたためだと思います。
しかし、この番組を虚心坦懐に見ていると、彼ら東大王たちが、「記憶力」だけでなく、神業的なスピードの「推理力」や「判断力」を持っていることに驚かされます。
今後の彼らの活躍が大いに楽しみです。くれぐれも、「クイズ王」だけで終わりませんように。