大泉逸郎という遅咲きの演歌歌手の「孫 」の歌詞のように、初孫ができると、私もつい嬉しくなって可愛がり過ぎるような気がします。
「ランドセル商戦」など「孫消費」が過熱しているという話も聞きます。
しかし甘やかしすぎることは「過保護」にもつながり、あまりよくありません。
そこで今回は、自戒も込めて「孫」にまつわる面白いことわざをいくつかご紹介します。
1.愛立てない(あいだてない)は祖母(ばば)育ち
祖母に甘やかされて育った子は、礼儀知らずでわがままになりやすいということです。
「愛立てない」は「愛立ちなし」が転じたもので、衝動的で抑制することのないさま、勝手だ、無遠慮だなどの意です。
なお、「あいだち」は間隔の意の「あひだち(間立ち)」が語源という説もあります。
2.親苦労するその子楽する孫乞食する
親が節約して築いた財産を、その子供は贅沢を尽くして食いつぶし、その孫は落ちぶれてしまうという意味です。
「親苦子楽孫乞食(おやくこらくまごこじき)」「祖父辛労子は楽孫乞食(そふしんろうこはらくまごこじき)」とも言います。
「親草鞋子雪駄孫跣(おやわらじこせったまごはだし)」「親は糟糠に甘んじ子は膏粱に飽き孫は遺糟を拾う(おやはそうこうにあまんじこはこうりょうにあきまごはいそうをひろう)」も同様の意味です。
3.孫は子よりも可愛い
孫は祖父母にとって我が子よりも可愛いということです。
孫に対する愛情は盲目的になりがちであるという意味です。
「子より孫が可愛い」とも言います。
4.馬鹿の孫褒め(ほめ)
孫の自慢ばかりしていると、馬鹿に見えるという戒めです。
いくら孫が可愛いからといって、周りに孫自慢ばかりしていると、親馬鹿のように見えることから。
5.孫は目の中に入れても痛くない
孫というものは無性に可愛いものであるということです。
「孫の可愛いと向臑(むこうずね)の痛いのはこらえられる」も同様の意味です。脛(すね)を打つと痛いのを我慢できないのと同様に、孫も可愛くて我慢できないことから。
6.年寄りの孫気遣い
孫を非常に可愛がることのたとえです。
年寄りは孫が可愛くてたまらないものであるということです。
7.内孫より外孫(うちまごよりそとまご)
同居している嫁が生んだ内孫よりも、嫁に行った娘が生んだ外孫の方が可愛いということです。
外孫は実の娘が生んだ子だから可愛く思われる、またたまにしか会えないからよけい可愛いともいいます。
8.孫を飼うより犬ころを飼え
孫をただ溺愛するばかりの祖父母への戒めです。
孫をいくら可愛がっても、孫は恩返しをしてくれるわけではないので、むしろ犬を飼った方がずっと良いということから。
「孫飼わんより犬の子飼え」とも言います。
新しく「おじいちゃん」「おばあちゃん」になられた方は、くれぐれも「孫を猫可愛がり」し過ぎないようにご注意ください。自戒を込めて・・・