最近カーシェアリング・レンタサイクル・シェアオフィス等のシェアビジネスが増加

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1.カーシェアリング

観光地で車を一時的に借りたり、事故や故障で修理に出すため自分の車が使えない時に「代車」として「レンタカー」を使うことは、以前からありました。観光地では「レンタサイクル」も増えてきました。

しかし最近は、「若者のクルマ離れ」という時代の流れの中で、自家用車をそもそも所有せず、必要な時に必要な時間だけ利用する「カーシェアリング」が普及してきました。

「オリックスカーシェア」「タイムズカーシェア」「カレコカーシェアリングクラブ」が大手3社です。

しかし、リゾートホテルや別荘をメンバーで相互利用する「リゾートクラブ」では、トップシーズンには予約が取れなくて利用できないということもあるようです。会員を集め過ぎたゴルフ場で「メンバーなのに予約が取れない」という話も聞いたことがあります。

登録した会員が本当に車が必要な時に、必ず間に合うと保証出来るのか心配でもあります。また、経営的にも「短時間の利用」が多く、「経費の変動(ガソリン価格の高騰など)に弱い」という面もあって、撤退する企業も相次いでいるようです。

2.レンタサイクル

また、これの自転車版ともいえる「HUB chari」「グリーンフラッグ」などの「レンタサイクル」もよく見かけるようになりました。これは、自転車を所有せず、駅の近くに大量の自転車を置いた業者から、「月極め」など日常的に自転車を借りるシステムです(「1日利用」もOKです)。

これを利用すると、「自転車の購入代金」や「駐輪場代」も不要で、空気を入れたりする「管理」も不要なので、自分の自転車で駅前の駐輪場を利用するより安上がりです。駅からかなり離れた住宅地に住む人が、バスに乗るよりもこのレンタサイクルを「通勤」「通学」用に利用することが多く、今後も利用者は増加すると私は予想しています。

3.シェアオフィス・コワーキングスペース

最近は新聞などで「シェアオフィス」という言葉をよく目にするようになりました。シェアオフィスとは、「オフィス家具やネット環境が揃い、そのまま仕事に取りかかれる時間貸しの事務所」のことです。

「コワーキングスペース」も「シェアオフィス」と似たようなもので明確な線引きはありませんが、「シェアオフィス」が「作業の場」であるのに対し、「コワーキングスペース」は利用者同士が交流を図り、コミュニティを形成することでビジネスを後押しするという面が強いようです。

昔よくあった「住宅の間借り」に対して、「現代のビジネス版間借り」といったところでしょうか?

(1)貸し会議室大手「TKP」

今年4月には、貸会議室大手の「TKP」がシェアオフィスを展開する「IWG」の日本法人「日本リージャスホールディングス」を約500億円で買収すると発表しました。

IWGは世界110カ国以上で、約3300カ所ものシェアオフィスを展開し、日本では「リージャス」ブランドなどで全国145カ所(2018年末時点)のシェアオフィスを擁しています。

TKPは「以前からTKPとリージャスの利用者は重複する部分があり、買収でシナジー効果(相乗効果)が期待できる」としていますが、成算はあるのでしょうか?

通常のオフィス賃貸であれば、法人テナントが一度入居すれば中長期的に安定した賃料収入が期待できますが、中小企業や個人相手のシェアオフィスでは「月額会員」の積み上げが必要で、会員の入れ替わりも激しく収益は安定しません。

第三者がとやかく言う話ではありませんが、TKPの今回の買収が「手張り過ぎ」でなければよいのですが・・・

(2)コワーキングスペース大手の「We Work」

今年6月、大阪梅田エリアに「We Work御堂筋フロンティア」がオープンしました。これは、アメリカのコワーキングスペース提供企業We Workが、2010年竣工ながらずっと空き室が続いていた「御堂筋フをロントタワー(20階建て)」1棟全フロアを借り上げて、起業家向けのコワーキングスペースを提供するものです。月額料金は59,000円~となっています。

関西では「We Work難波スカイオ」に続く2拠点目です。

<2019/10/18追記>We Workを運営する「ウィーカンパニー」の業況

同社の2018年12月期の業績は16億ドルの最終赤字で、上場も延期しました。また同社の大株主であるソフトバンが5,000億円規模の金融支援を提案するなど苦戦が続いているようです。

「ユニコーン(一角獣)」と呼ばれる「企業価値10億ドル超の未上場のスタートアップ企業」は、現在世界中で404社あるそうですが、過大な初期投資で苦戦している企業も少なくないようです。

(3)三井不動産の「ワークスタイリング」

三井不動産は、シェアオフィス・レンタルオフィス・サービスオフィスの「ワークスタイリング」を展開しています。

大阪では、阪急ターミナルビル10階の「ワークスタイリング梅田」と、御堂筋三井ビルディング1階の「ワークスタイリング大阪本町」の2拠点があります。

4.レンタルルーム

最近大阪都心でも「営業マンの休息用」としての「レンタルルーム」を見かけるようになりました。東京はもっと多いのではないかと思います。

営業マンの休憩場所としては、「無料の場所」なら「公園のベンチ」や「図書館」、変った所では「教会」「お寺」などがあります。「有料の場所」なら以前は「喫茶店」か「パチンコ屋」だったのではないかと思いますが、最近は、「ネットカフェ」「漫画喫茶」や「カラオケルーム」が主流でしょう。

しかしゆっくり昼寝したい人向けの「レンタルルーム」も増えているようです。ただGPS機能付きの業務用携帯電話を持たされている人は、遠隔監視されている可能性もありますので注意が必要だと思います。