司法試験に何度も不合格になった人は、その後どのような就職先を見つけたのか?

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菊間千乃

「司法試験」は、皆さんご存知のように、「裁判官、検察官または弁護士になるための国家資格(法曹資格)を付与するための国家試験」です。最難関国家試験の一つと言われています。

私は、法学部を卒業しましたが、法曹の道は早々に断念し、サラリーマンとなりました。現在は、司法試験も新制度となったり、全国の大学に「法科大学院」が出来たりして、旧制度の司法試験に比べると、やや合格しやすくなったのかもしれません。

参考までに平成30年の合格率は、29.11%、最年少は19歳、最年長は68歳、平均年齢は28.8歳でした。ちなみに平成29年は、それぞれ25.86%、21歳、71歳、28.8歳でした。

新司法試験は、「法科大学院課程修了又は予備試験合格から5年以内」という受験年数制限と、受験回数が5回までという制限がありますが、旧司法試験は受験回数の制限はありませんでした。

そのため、何十回も受験し、不合格を重ねて、最後は息子と一緒に司法試験を受けることになった人もいたようです。そんな人の中には、受験当日に自らの命を絶った人もいたと聞いたことがあります。

長い浪人生活の中で、仕事にも就かず(あるいはアルバイトで僅かな収入を得ながら)家族に迷惑をかけ続けて来たことから、今年もダメではないかという不安から、絶望的な気持ちになったのではないかと思います。

普通のサラリーマンになっていれば、それなりに社会的に活躍できたであろう人だと思いますが、「司法試験断念」の踏ん切りがつかないまま、ズルズルと浪人生活を続けた結果でしょう。

そういう意味で、新司法試験が、「受験年数と受験回数の制限」を設けたことは合理的だと思います。優秀な人材を社会で有効活用するという狙いです。

では、司法試験に不合格となった人は、一体どうしたのでしょうか?

1.司法書士や行政書士

一つはランクを下げて「司法書士」や「行政書士」などの国家資格に活路を見い出した人がいます。司法試験の勉強で蓄積された法律知識が役に立ちます。

2.国家公務員や地方公務員

もう一つは「公務員」を目指した人がいます。国家公務員・地方公務員で、「裁判所書記官」というのもあります。

3.法律事務所の弁護士補佐業務や民間企業の法務部

次は、民間企業ですが、「法律事務所」で弁護士を補佐する業務や、一般の民間企業の「総務部」「法務部」への就職などです。司法試験の勉強で蓄積された法律知識は、一般のサラリーマンよりもはるかに高度で深いものですから、「コンプライアンス遵守」が重要になった最近では重宝されることでしょう。

そこで働きながら勉強を続けて、引き続き司法試験にチャレンジした人もいます。

4.政治家

これは、父親が国会議員や地方議員の場合など、稀なケースだと思いますが、これに該当する例が国民民主党の衆議院議員の小沢一郎氏です。

彼は、1967年に慶應義塾大学経済学部を卒業後、日本大学大学院法学研究科に入り、弁護士を目指して勉強していました。

彼の父親の小沢佐重喜(さえき)氏(1898年~1968年)は、日本大学法学部(夜学)を卒業して弁護士になり、衆議院議員を10期も務めた大物政治家です。

ところが、父親が1968年に69歳で心不全で急逝したため、弁護士になる夢を断念し、1969年の衆議院議員選挙に出馬し、27歳の若さで当選しています。

彼が何回司法試験を受験したのかよくわかりませんが、政治家になるなら「地盤・看板・かばん」のある人が強いことの典型的な例でしょう。

「地盤・看板・かばん」のない人は、いくら頑張ってもなかなか難しいと思います。

5.一般企業に正社員として中途入社

法律とは全く関係のない一般企業に中途入社してサラリーマンになるという人が一番多いのではないかと思います。

6.派遣社員やアルバイト

現在のような雇用情勢では、「正社員」というのも、そう簡単ではないと思います。ましてや年齢が高くなると、難しくなるのではないでしょうか?

そうすると、派遣社員やアルバイトにならざるを得ません。

「夢を追いかける」「あきらめない」というのも大切ではありますが、スポーツ選手や芸能人、政治家の「引退」の決断が難しいように、司法試験をどこで「断念」するかの決断も相当難しいのではないかと思います。

しかし、あたら人並み以上の能力がありながら「司法試験浪人」で一生を棒に振るのも痛ましいことです。

年齢が若ければ、「司法試験くずれ」でも企業の法務部に採用されることも夢ではないと思いますが、30歳を過ぎれば難しくなるような気がします。

二種免許を取ってタクシーの運転手になったり、大型免許を取ってトラックの運転手になった人もいると聞いたことがあります。

「一度しかない一生」を「初志貫徹で最後まで夢に賭ける」か、「かけがえのない人生」なので適当な時点で「断念」するかは本人次第ですが、くれぐれも「夢追い人」で終わったり「ドン・キホーテ」にならないようにしてほしいものです。

自分の現時点の能力を正しく見極めることは、案外難しいものです。特別「自信過剰」の人でなくても、人は自分の能力を過大評価し、「自己インフレーション」を起こしがちです。

奥さんやその他の家族、あるいは信頼の置ける友人に相談して、率直なアドバイスを虚心坦懐に潔く受けることも必要ではないかと思います。

また、余談ですが、「司法試験に合格しても7.5人に1人は法律事務所に就職できない」という少し気になる話もあります。これは、日本社会がアメリカほど「訴訟社会」になっていないため、新制度の司法試験で合格者数が増えても、法律事務所の方では、新人弁護士を受け入れる余地があまりないという事情があるようです。


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