インスタレーションは場所や空間全体を作品とした芸術!アートの島や田んぼアートも紹介

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田んぼアートラグビー日本代表

皆さんは「インスタレーション」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?まだまだ耳慣れない言葉ですが、「アートの島」や「田んぼアート」といえば、「ああ、あんなスタイルの芸術のことか」と納得されるのではないでしょうか?

今回は、この「インスタレーション」についてご紹介したいと思います。

1.「インスタレーション」とは

「インスタレーション(Installation art)」とは、1970年代以降一般化した絵画・彫刻・映像・写真などと並ぶ現代美術における表現手法・ジャンルの一つです。

ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置いて、作家の意向に沿って空間を構成し変化・異化させて、場所や空間全体を作品として体験・体感させる芸術です。

「ピラミッド」「スフィンクス」「ナスカの地上絵」のような古代の「ランドアート」は、「太古のインスタレーション」と言えるかもしれません。

「インスタレーション」というのは、もともと「設置」「展示」「インストールする」という意味です。

また、「インスタレーション」は基本的に「一時的なもの」で、展覧会期が終われば撤去されてしまい人々の記憶の中にしか残らないものです。

最近出てきた「AR(Augmented Reality)」(拡張現実、拡張現実感)も、芸術ではありませんが、実際の街中や室内に仮想現実を取り入れるという意味で「インスタレーション」と似ていますね。

なお、「インスタレーション」の萌芽・前身と言えるものに「ハプニング」があります。これは、1950年代から1970年代前半を中心に、北米・西ヨーロッパ・日本などで展開された「ギャラリーや市街地において行われる非現実的で一回性の強いパフォーマンスアートや作品展示」のことです。アラン・カプローが創始者です。

2.「インスタレーション」の日本での具体例

(1)「具体美術協会」の野外美術展

1954年頃に、「具体美術協会」が芦屋公園で野外美術展を開催したそうです。その後、サンケイホールや草月ホールでのパフォーマンスを行っています。アラン・カプローもハプニングの初期の例として評価しています。

(2)アートの島

香川県の「直島(なおしま)」は、「アートの島」として有名です。草間彌生(1929年~ )の赤色や黄色の「カボチャのオブジェ」などはよく知られています。

(3)田んぼアート

青森県田舎館村の「田んぼアート」が有名ですが、ほかにも埼玉県行田市や京都府京丹波町、栃木県小山市などでも行われています。

(4)世界を変えた書物展

世界を変えた書物展

先日、金沢工業大学の学生が主役の「180秒のヒューマンドキュメント 物語の始まりへ」というテレビ番組をたまたま見ました。

そこで、「世界を変えた書物展」という展覧会の準備に取り組む建築学専攻の学生たちの活動が紹介されていました。

金沢工業大学が所蔵する「工学の曙文庫」から選りすぐった書物130冊を展示するものです。「工学の曙文庫」というのは、コペルニクス、ガリレオ、ニュートンなどの世界の科学者たちの重要な発見・発明を記した初版本約2,000点のコレクションです。

その中に「人類の叡智を辿る旅」というコンセプトで、「知のつながり」を表現したインスタレーション形式の展示もありました。

(5)月見光路(つきみこうろ)プロジェクト

金澤月見光路

ところで、金沢工業大学と言えば、あかりのオブジェで金沢の秋を彩る「金澤月見光路」を毎年開催しています。

この「月見光路プロジェクト」は、金沢市中心市街地を元気づけようと、金沢工業大学の学生たちと地元商店街・地元住民が連携して、あかりで街中を幻想的に演出する企画です。

地域の活性化とともに学生の研究発表の場となる月見光路は、産官学および地域連携の活動として、2004年に始まり今年で16年目を迎えました。