<2021/10/6追記>麻生副総理兼財務大臣も退任挨拶で「日本の社会主義的傾向」に危機感
麻生副総理兼財務大臣は10月5日の退任挨拶の中で、財政の現状について「だましだまし来て、国家予算の3割が福利厚生という異常事態になっとる」と、少子高齢化により社会保障費が増え続けていることに危機感を示しました。
最近、コロナ禍で倒産や廃業の危機にある、あるいは経営が苦しくなっている企業に対する「無利子無担保融資」、「持続化給付金」や「家賃支援給付金」「雇用調整助成金の特例措置」「休業協力金」「働き方改革推進支援助成金」「固定資産税の軽減」などの対策が実施されています。
企業に働く従業員に対しても、「休業支援金・給付金」「住居確保給付金」「ひとり親世帯臨時特別給付金」「子育て世帯への臨時特別給付金」「緊急小口資金無利子融資」「納税猶予」などの支援が実施されています。
また、コロナの影響でアルバイトが出来なくなった多くの学生が休学や中途退学を考えていることも問題視され、「学生支援緊急給付金」などの支援が実施されています。
ただ立ち止まってよく考えてみると、「このような最近の日本の政策や風潮は社会主義的になり過ぎていないか?」という疑問が私には湧いてきます。
1.国民の税金をどぶに捨てるような無駄遣いをしていないか?
倒産不可避の企業にお金を投入しても無駄です。過去にもそのような中小企業支援融資を大規模に実施した例があります。
このような緊急支援融資は金融機関の不良債権を増大させるリスクもあります。
個人についても、「生活保護」というセーフティーネットがあります。医療費無料など様々な優遇措置を受けている「生活保護世帯」の方が、が生活保護を受けていない勤労世帯より裕福な生活をしているという矛盾した「逆転現象」もあると聞きます。
休学や中途退学を考えている学生が多いと言っても、現在の大学進学率はあまりにも高すぎます。苦しい家計やアルバイト収入減を考慮して何割かの学生が大学をやめるのは合理的な判断であって、それを引き留めるために国民の税金を投入する必要があるのか疑問です。
日本は「発展途上国支援」や「温暖化対策」「プラスチックごみ対策」でも「莫大な税金の無駄遣い」をしていますが、今ここで立ち止まって考えてみる必要があるように思います。
2.財源は大丈夫なのか?
日本政府や財務省は「MMT理論」に宗旨替えしたのでしょうか?コロナ禍を理由に大盤振る舞いし過ぎのように感じます。「後は野となれ山となれ」ということでしょうか?
このような税金の使い方をしていては、日本の財政再建は覚束ない と思います。
3.日本は社会主義国になったのか?
日本に留学している中国人が「日本は、理想的な社会主義の国です」という感想を述べたという話を聞いたことがあります。その中国人留学生によると「中国では、地方の農村と上海や北京のような大都市との貧富の格差は日本とは比べものにならないくらい非常に大きい。日本は誰が金持ちで誰が貧しいかわからない。中国はこういう国を作りたかった。」とのことです。
だからこそ、2020年9月に「農民出身」の菅義偉氏が総理大臣になれたことに多くの中国人が驚いたのでしょう。