眞子さんと結婚して、2021年11月14日一緒に渡米した小室圭さんも「ノルディックセーター」を着ていましたね。
あるテレビのクイズ番組で、「縦縞」の「ストライプ」に対して「横縞」を何と言うかという問題がありました。正解は「ボーダー」でした。
このように、身近な「柄」や「模様(文様)」「パターン」でも、その名前を意外と知らないものがあります。
1.ストライプ
縞柄模様。
日本では縦縞を「ストライプ(stripe)」、横縞を「ボーダー(border)」と呼びますが、英語では縞柄の向きに関わらず「ストライプ」と呼ばれます。
チョークで描いたようなかすれたタッチの「チョーク・ストライプ」や、細かいドットで描いた「ピン・ストライプ」などがあります
ちなみに「ボーダー(border)」という英語の意味は、「へり」「ふち(縁)」「境界(線)」「国境(線)」で、「横縞」という意味はありません。
2.チェック
格子柄模様。
(1)市松模様(いちまつもよう)
交互に配された2色の正方形から成る模様。
チェス盤に似ているため、「チェッカーボード・チェック(checkerboard check)」または「ブロック・チェック(block check)」とも呼ばれます。
「鬼滅の刃」にもこの「市松模様」がありましたね。
(2)アーガイル・チェック(argyle check)
菱形格子の模様。セーターや靴下によく見られます。
アーガイル・チェック(アーガイル柄)は、数色の菱形の連続で構成されており、その中心を、辺に並行した線が交差します。見た目の連想から、「そろばん柄」と称されることもあります。
名称の由来は、スコットランド西部・アーガイル地方の氏族だったキャンベル家(キャンベル・オブ・アーガイル、Campbells of Argyle)のタータンチェックをルーツとする説などがあります。
(3)ギンガム・チェック(gingham check)
ギンガムという織物特有のチェック柄。
織物ではないデジタルデザインなどでは、異なる色の等幅格子柄で表現されています。
名称の由来は諸説あります。その一つとしてマレー語のGenggang(意味は「縞模様」)が挙げられます。また、フランスの地方名であるGuingamp(ガンガン)を由来とする説もあります。
当初はストライプ柄をギンガムと呼んでおり、例えば1828年のロンドンの雑誌にはpink striped ginghamという記述が見られます。また、ヴィクトリア朝時代のアンブレラは、その柄からa gingham と呼ばれていたこともあったという説もあります。
(4)タータン・チェック(tartan check )
「タータン・チェック」は「タータン」とも呼ばれています。
スコットランドの高地地方発祥の伝統的な格子柄です。
英語の tartan という単語の由来として有力視されているのは中世フランス語の tiretaine です。。他にもゲール語の tarsainn に由来する説や、古いスペイン語の tiritana (tiretana) から来たとする説などがあります。
(5)ハウンド・トゥース(hound’s tooth)
猟犬(hound)の歯(tooth)に似た形で作られた格子から成る模様。
日本では「千鳥格子」とも呼ばれています。
ハウンドトゥースの起源は、スコットランドローランド地方で数百年前にまで遡ります。もともと固有なスコットランドの氏族(クラン)の中立性、他の氏族と識別するために用いたもの、と言われています。
例えばよく聞く「タータンチェック」。これが氏族(クラン)と同じ意味合いです。16世紀ごろのスコットランドで、各クランの紋章としてチェックが使われています。
過去には、イングランドによって氏族制度が解体されてしまいますが復活します。ここで、ローランド地方にも氏族が確立されて識別するパターンも登場、そこでハウンドトゥースはローランド地方、タータンチェックがハイランド地方になったようです。
3.ドット(dot)
水玉模様。
「ドット」とは「点」または「点に近い円」のことを指しますが、デザインでは、地色に対し一定の幅で小円・点を染めたものを「ドット柄」と呼んでおり、しばしば「水玉模様」とも呼ばれます。
円径が小さいほど正装ではフォーマル寄りになります。直径 1~2 mm のものが「ピンドット」、2~3 cm のものが「コインドット」、中間が「ポルカドット」と呼ばれ、主にネクタイやワイシャツ、パンティー等に使われています。
なお、不規則に配された様々な大きさのドットから成る模様は「シャワードット(shower dot)」と呼ばれます。
4.動物を模した柄
(1)アニマル柄(animal pattern)
ヒョウ(レオパード)、キリン(ジラフ)、シマウマ(ゼブラ)、トラ(タイガー)など、様々な動物の模様。
(2)鱗文様(うろこもんよう)・鱗文(うろこもん)
三角形を上下左右に配した模様。
(3)ヘリンボーン(herring bone)
魚の骨に似た形の模様。床や木製家具などで見られます。
開きにした魚の骨に似る形状からニシン (herring) の骨 (bone) という意味を持っています。gを黙字にせず「ヘリングボーン」ということもあります。
形状は、V字形や長方形を縦横に連続して組合せられています。
5.植物を模した柄
(1)カモフラージュ柄(camouflage pattern)
「迷彩柄」とも呼ばれます。自然の風景に混じり合うような形や色彩の模様。
自衛隊員やアメリカ海兵隊員などがよく着ていますね。
(2)カントリー調花柄(country-style flower pattern)
欧米のカントリーライフのような少しくすんだパステル調などの素朴で可憐な小花柄の模様の総称。
(3)ペイズリー(paisley)
日本では「勾玉模様」とも呼ばれます。
ペルシャの花鳥文がインドやイスラムに伝わり抽象化されたとされています。
(4)ボタニカル柄(botanical pattern)
専門書に描かれているような細密画「ボタニカルアート」、または、花や植物の種類が豊富で密集した模様。
6.和柄
(1)唐草模様(からくさもよう)
風呂敷などによく見られる模様です。
私などはどうしても「泥棒の風呂敷」や「東京ぼん太」のイメージが強いです。
(2)七宝文様(しっぽうもんよう)
円を重ねた吉祥文様。
輪が四方八方に広がっていくことから「しっぽう」と呼ばれます。
(3)青海波(せいがいは)
波を意匠化した模様。
(4)雷文(らいもん)(meander)
ラーメンの器でよく見られる模様。
なお、「メアンダー(meander)」とは「ギリシャ雷文」のことで、小アジアを曲流するマイアンドロス川(メアンダー川)の名に由来し、メアンダー、メアンドロス模様、メアンドロス柄とも言います。
新石器時代にバルカン地方のドナウ川流域のトリポリエ文化・ディミニ文化において土器の装飾文様として始まりました。やがてアッペンニーノ山脈文化に引き継がれ、ギリシアの幾何学紋様として開花しました。
ギリシアでは建築装飾、ローマでは絵画やモザイクと、建築・工芸において主に用いられました。タピスリーや陶器、家具にも見られる文様です。
7.その他の柄
(1)アラベスク模様(arabesque pattern)
植物文様の曲線や、幾何学文様、組み紐文様の直線で構成された模様。
絨毯やタイルなどによく見られますね。
(2)スプラッシュ柄(splash pattern)
塗料や絵の具を滴らせたり、たたきつけたりしたような模様。
抽象画にも、このような手法の作品がありましたね。
(3)フラクタル・パターン(fractal pattern)
CGで作られるフラクタル(自然や図形の部分と全体が相似形になっているもの)の形や色彩の模様。
ちなみに「フラクタル」とは、規模の尺度を変えても同じ形が現れる自己相似の構造のことです。フランスの数学者B.マンデルブローが名づけた幾何学の概念です。
一例は樹木。幹の枝分かれは小枝の分岐にそっくりで、さらに葉脈の広がりにも似ています。山の稜線や海岸線などにも同様の構造があります。
こうした輪郭の複雑さの度合いを表すのが、「フラクタル次元」です。面上に描かれた輪郭は複雑になるほど1次元(直線しか存在しない空間)から2次元(多角形や円のように平面的な広がりを持つ空間)に近づきます。
(4)モノグラム柄(monogram pattern)
モノグラム(組み合わせ文字:イニシャルなど2つ以上の文字を組み合わせて図案化したもの )を大きなワンポイントにしたり、小さな柄として使った模様。
ルイヴィトンのバッグの模様などが代表的なものです。
(5)モンドリアン柄(Mondorian pattern)
オランダの抽象画家ピエト・モンドリアン(1872年~1944年)の代表作「コンポジション」シリーズに見られる柄をモチーフにした模様。
(6)ノルディック柄
「ノルディック柄」とは、その名の通り、ノルウェーなどの伝統的な編み込み柄のことを指します。
北欧を彷彿させる、雪の結晶やトナカイなどのモチーフや幾何学模様、点描を用いた柄が特徴です。
「ノルディック柄」が用いられた「ノルディックセーター」は、北欧ノルウェーに古くから伝わるセーターのことをいいます。
また「ノルディックセーター」には必ずドットを散りばめた様な模様である点描柄が入っていて、「ルース・コスタ」と呼ばれています。
北欧という寒冷地という環境から、全体に編み込み模様を入れ、二重に編むことで厚手に仕上げ、保温性を高めているため、「ノルディックセーター」には厚手のものが多いのも特徴です。
「ノルディック柄」がどこか温かみやノスタルジックな雰囲気が感じられるのには、実際に厚手のものが多いことや、北欧の伝統的な柄ということから想像ができます。
現在では、定番の柄として、セーターやニットに限らず、マフラーや靴下、ファッションアイテム以外にも取り入れられています。