<2023/6/2追記>国民や与野党から猛批判を受けて秘書官長男を6/1付けでやっと更迭!
「更迭するのが遅すぎた」というよりも、やはり「長男を首相秘書官に任命した公私混同人事がそもそも間違いだった」と私は思います。
<2023/5/26追記>岸田首相 秘書官長男が公邸を“私物化”報道がありました。首相の任命責任が改めて問われそうです。
「文春オンライン」を引用した「女性自身」によると次の通りです。
岸田文雄首相(65)の長男で、政務担当の首相秘書官を務める岸田翔太郎氏(32)の“悪ノリ”が止まらないーー。
「文春オンライン」は5月24日、翔太郎氏が昨年末に首相公邸で忘年会を開いていたことを報じた。親戚あわせて10人以上が集まり、賓客を招く公的なスペースなどで写真撮影に興じていたという。
記事では、翔太郎氏を総理の場所に据えた親族一同の“閣僚写真”や、岸田首相の甥が赤じゅうたんの敷かれた階段に寝そべっている写真も公開されている。岸田事務所は文春の取材に対して、「公邸の居住については、決められたルールと手続きに基づき適正に使用しているところです」と回答していた。
赤じゅうたんが敷かれた「西階段」といえば、昨年8月に第2次岸田改造内閣の発足に伴って記念撮影が行われた場所。通常は官邸ロビーの「大階段」で撮影されるが、当時は改修工事中が行われたため場所を変更しての撮影となった。
ネット上では、公邸を“私物化”した翔太郎氏に批判の声や愕然とした声が噴出している。
《国民の生活が厳しい状況に置かれている中で、国のトップがこれでは日本の将来が心配です。何を考えているのでしょう》
《G7が素晴らしかっただけに、階段の写真は残念すぎる。。何か勘違いをさせているのが岸田首相なら、そんな人物に国を任せたくない。。》
《階段で寝そべってるって子どもかと思ったら、もう立派な大人だったw 最近炎上してるSNS迷惑系画像と同じだけど、こういう写真を撮って、それが公に出回ったらどんなことになるのか、想像が及ばないのだろうか》
「岸田文雄首相が10月3日、首相秘書官に長男の翔太郎氏を起用する意向を固めた」との報道がありました。
岸田首相は、先日行われた「安倍元首相の国葬」決定において重大な判断ミスを犯しました。その結果「旧統一教会問題」が噴出し、まだそのほとぼりも冷めないうちに今度は「長男を首相秘書官に任命」という致命的な判断ミスを犯したようです。
今回はこれについて考えてみたいと思います。
1.岸田首相の長男・翔太郎氏を「首相政務秘書官」に起用予定
長男・翔太郎氏は筆頭格の嶋田隆秘書官とともに、首相の「政務担当秘書官」となる見込みです。10月4日に政権発足1年を迎えるのを踏まえ、近く発令予定です。山本高義氏は辞職し、岸田事務所に復帰する見通しです。
ちなみに「首相秘書官」は、「内閣総理大臣秘書官」の俗称で、特別職の国家公務員です。「政務担当首相秘書官」(首席秘書官)と「事務担当首相秘書官」とがあります。
現在の首相秘書官の構成は次の通りです。
<政務担当秘書官>
嶋田隆(元経済産業事務次官)
山本高義(元岸田首相秘書)
<事務担当秘書官>
大鶴哲也(外務省)
宇波弘貴(財務省)
中山光輝(財務省)
荒井勝喜(経済産業省)
中島浩一郎(防衛省)
逢坂貴士(警察庁)
2.長男の「首相政務秘書官」任命は公私混同の縁故採用ではないか
年収が1千万円以上と言われる「首相政務秘書官」には、通常は首相の国会議員秘書として長年仕えてきた人物が任命されます。
それにもかかわらず、秘書歴2年の「政治家見習い」のような31歳の長男(現在は「公設秘書」)を任命するのは、「公私混同」の「縁故採用」という誹りを受けても仕方がないのではないかと思います。
3.「政務担当首相秘書官」とは
政務を担当する政務担当秘書官は、一般的に「首席秘書官」と呼ばれることもありますが、これは法的に定められているわけではなく、あくまで俗称です。内部的・非公式な序列はありますが、法的には事務担当秘書官も同列の扱いです。
橋本龍太郎首相が当時通産官僚であった江田憲司を任命したように、ごく希に官僚から選ばれる場合もあります。
他にも、政策ブレーンや親類縁者から選ぶケースもあります。1970年代中頃までは、いわゆる「番記者」として関係を深めた新聞記者を秘書官に任命する例も多かったようです。いずれのケースであっても、基本的に首相の信頼の厚い人物が選ばれるため、首相に対して大きな影響力を持つと言われます。
主な業務は首相のスケジュールの最終的な調整を担当することですが、それ以外にも首相の命を受けて政権の重要政策や政府各部門の調整をしたり、首相とともに長い間永田町で仕事をしてきた実績や人脈を生かして首相と与党、時によっては野党との密かな連絡調整役となるなど、多岐に亘ります。
また、与党政治家との会合や週末の遊説など首相の政治案件にも同行します。事務担当秘書官は、首相が交代すればそれぞれの出身省庁に戻るので、首相に仕えるというよりも出身省庁に仕えるという側面が強くあります。
したがって、重要な国家機密や首相の機微に触れる事項については、首相と政務担当秘書官の二人だけで共有されます。そこに政務担当秘書官と事務担当秘書官の決定的な違いがあります。
報道において「首相周辺」という表現があるとき、これはもっぱら政務担当秘書官の意味であり、非公式な場面でのオフレコ発言をした場合に用いられます。
4.岸田翔太郎氏とは
岸田翔太郎氏(1991年~ )は現在31歳。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業後、大手商社・三井物産勤務を経て、現在は岸田事務所で「公設秘書」を務めています。
これまでも首相の外遊に同行するなどしていましたが、正式に秘書官に任命し、首相の後継者として経験を積ませる狙いもあるとみられます。
身内の首相秘書官起用としては、福田赳夫内閣で長男の康夫氏(元丸善石油課長)が政務秘書官を務めた例があります。
また最近では福田康夫内閣で長男の達夫氏(現自民党筆頭副幹事長)が政務秘書官を務めた例があります。
5.過去の内閣では「首相政務秘書官」はどんな人物が任命されたのか
日本の行政トップは内閣総理大臣(首相)ですが、過去の「首相政務秘書官」には「影の総理」とか「総理の懐刀」と呼ばれた人々がいます。
中曾根康弘内閣時代の後藤田正晴官房長官や、小泉純一郎内閣時代の飯島勲首相秘書官らがその例です。
また岸信介内閣時代には、岸首相の娘婿で元毎日新聞記者だった安倍晋太郎氏(安倍晋三元首相の父)が「首相政務秘書官」となっています。
ちなみに安倍晋太郎氏は、退任後衆議院議員となり、外相・自民党幹事長を歴任しました。