日本語の面白い語源・由来(か-24)海賊版・風・風邪・金・カマトト・皮切り・学ラン・菓子

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海賊版

日本語の語源には面白いものがたくさんあります。

前に「国語辞典を読む楽しみ」という記事を書きましたが、語源を知ることは日本語を深く知る手掛かりにもなりますので、ぜひ気楽に楽しんでお読みください。

以前にも散発的に「日本語の面白い語源・由来」の記事をいくつか書きましたが、検索の便宜も考えて前回に引き続き、「50音順」にシリーズで、面白い言葉の意味と語源が何かをご紹介したいと思います。季語のある言葉については、例句もご紹介します。

1.海賊版(かいぞくばん)

海賊版

海賊版」とは、著作権者に無断で複製された書籍やソフトウエアのことです。レコードやCD、DVDなどの場合は「海賊盤」とも書きます。

海賊版は、英語「pirated edition」の訳です。
「pirate」は、海賊や略奪者という意味から派生し、著作権侵害者や特許権侵害者の意味を持つようになり、著作権侵害の複製版で「pirated edition」となりました。

海賊版の「版」にレコードを意味する「盤」を当てた語が「海賊盤」で、日本固有の表現です。ちなみに英語で海賊盤は、「bootleg(ブートレグ)」と言います。

2.風(かぜ)

風

」とは、空気の動き、空気の流れのことです。

かぜの「」は、「気(か)」で大気の動きを意味します。
」は「風(じ)」で、風の語源「気風(かじ)」の転です。

3.風邪(かぜ)

風邪

風邪」とは、呼吸器系の炎症性の病気で、熱・咳・鼻水が出たり、喉が腫れたりします。「感冒」とも言います。

風邪は、昔は風が原因でなる病気と考えられていたことからの名で、「風」と同源です。
日本最古の医書『医心方』には、「風者百病之長也」とあります。

江戸時代までは、感冒のことも漢字で「風」と表記されていました。

一般的に「風邪」の表記が使われるようになったのは、明治以降のことです。

「風邪」は冬の季語で、次のような俳句があります。

・くらがりに 灯を呼ぶ声や 風邪籠り(村上鬼城)

・店の灯の 明るさに買ふ 風邪薬(日野草城

・風邪の子や 眉にのび来し ひたひ髪(杉田久女

4.金(かね)

金

」とは、金・銀・銅・鉄など金属一般、お金、金銭、貨幣を意味します。

金の語源は諸説ありますが、金属は叩くと「カンカン」と鳴ることから、音変化し「カネ」になったとする説が有力とされます。

その他、「か」を「堅く(古語で焼く意味)」、「ね」を「練る」とした説や、土中に兼ねてからあるものとする説などがあります。

貨幣の「お金」の語源には、通貨が何にでも物を兼ねられることから「カネ」になったとする説もありますが、金属の「金」と区別して語源を考えるのは不自然です。

5.カマトト/蒲魚(かまとと)

かまとと

かまとと」とは、よく知っていながら知らないふりをすること(また、その人のこと)です。うぶらしく振る舞う女性に対して用いられます。

今で言う「ぶりっ子」ですね。

かまととの「かま」は「蒲鉾(かまぼこ)」、「とと」は幼児語で「魚」のことで、漢字では「蒲魚」と書きます。

蒲鉾が魚から作られることを知らないふりして、わざとらしく「蒲鉾はトトからできているの?」と聞いたことから、「かまとと(かまととぶる)」という言葉が生まれました。

かまととが女性に対して多く使われる理由は、江戸末期の上方の遊郭で、うぶなふりをした遊女に対して使われ始めたことによります。

6.皮切り(かわきり)

皮切り

皮切り」とは、物事のし始め、手始めのことです。

お灸用語では、最初にすえる灸のことを「皮切り」と言います。
これは、最初の灸は皮が切られるような痛みを感じることからです。

1603年『日葡辞書』では「最初の灸」と解説していますが、「皮切りが大事」の例文では「最初が非常に大切」の説明があり、この頃には既に「皮切り」に「手始め」の意味もあったことがうかがえます。

7.学ラン(がくらん)

学ラン

学ラン」とは、詰め襟の男子学生服のことで、特に、上着の丈が長く、だぶついたズボンのものを指します。

学ランの「ラン」は、江戸時代の隠語で洋服を意味する「ランダ」が略された語です。
学生が着るランダ(洋服)という意味から「学ラン」となりました。

ランダが洋服をさす由来は、鎖国時代の日本では「西洋」と言えば「オランダ」のことであったためで、「ランダ」は「オランダ」の略です。

おおもとの語源は同じですが、一般に洋服は「蘭服(らんぷく)」と呼ばれることが多かったため、「学生蘭服」の略とも考えられます。

5.菓子(かし)

菓子

菓子」は、「食事以外に食べる嗜好(しこう)性の食べ物のこと」です。

古くには「果物(くだもの)」のことを意味していました。江戸時代からは果物を「水菓子(みずがし)」と呼ぶようになり、「菓子」は果物以外のものを指すようになりました。