大阪都心は高級ホテル、大阪近郊はワンルームマンション建設ラッシュ!

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御堂筋建設中ホテル

最近、大阪の建設業界が有卦(うけ)に入(い)っています。少し前までは、「耐震補強工事」や「外壁塗装工事」をよく見かけましたが、つい最近は大阪の都心部で、高級ホテルの建設ラッシュ、また大阪近郊の都市ではワンルームマンションの建設ブームです。

1.大阪都心の高級ホテル建設ラッシュ

大阪都心部の高級ホテル建設ラッシュの原因としては、大阪の御堂筋で「高さ規制」が撤廃されたことがひとつです。従来、御堂筋沿いのビルの高さは、原則50メートル、最高60メートルに規制されていました。それが、最高200メートルまで可能になったのです。

「土一升金(かね)一升」の土地ですから、高さ制限の撤廃は、土地所有企業にとっては大歓迎です。

それに、最近の「インバウンド」の急増で、ホテル需要も十分見込めることから、高級ホテル建設計画が相次いでいるようです。

USJの人気向上や、関西国際空港がLCC(格安航空会社)のハブ空港化したことも追い風です。2020年の東京五輪を機会に海外からの旅行者はさらに増えるものと見込んでいるようです。2017年の訪日外国人の人数が2,800万人を超えたので、政府の「2020年に訪日外国人の数を4,000万人の大台に乗せる」という計画も夢ではないということでしょうか?

「ザロイヤルパークホテル」(高さ116メートル、352室、2020/1月完成予定)、南御堂の「寺院山門一体型ホテル(仮称:大阪エクセルホテル東急)」(高さ73メートル、約360室、2019/9月完成予定)、「ザ・ビー大阪心斎橋」(高さ74メートル、309室、2019/2月完成予定)マリオットグループの「Wホテル」(高さ117メートル、337室、2021/2月完成予定)の4つの高級ホテルが、御堂筋沿いに2019年から2021年にかけて続々と完成します。

阪神百貨店のビルも、全面建替えで、百貨店とオフィスの複合ビル(地上38階、高さ189メートル、2022/3月完成予定)になります。

ヨドバシカメラ北側のヨドバシ梅田タワー(仮称)(高さ149メートル、2019/12月完成予定)には、阪急阪神ホテルズのホテルが入る予定です。2020年春開業のこのホテルは客室約1000室で、大阪梅田エリアで最大級です。

既存の大型ホテルも、数年前から大規模改装を相次いで行うなど新「大阪ホテル戦争」の様相を呈しています。2018年末で大阪のホテル客室数は約57,000室で、2020年には約68,000室になると見込まれています。

その結果、あるシンクタンクの予想では、約4,700室の余剰となるそうです。熾烈な顧客争奪戦が予想されますね。

しかし、グルメの方にとっては、新しいホテルにどんなレストランが入るのか今から楽しみですね。

インバウンドのブームが去った後の「稼働率」がどの程度に落ち込むのか、他人事ながら心配ではありますが・・・

2.大阪近郊のワンルームマンション建設ラッシュ

最近大阪近郊で、ワンルームマンションの建設がブームのようです。ひとつは、ワンルームマンション会社が、「地主」に「賃貸ワンルームマンション」一棟を建築させて、同社が全室の「管理」と「家賃保証」を引き受けるやり方です。もうひとつは、建設業者がワンルームマンションを建設して、一室ごとに「投資家」に売却するやり方です。

いずれの場合も、デメリットが多いと私は思います。「空き室リスク」「家賃低下リスク」「売却損リスク」などリスクが大きいのではないでしょうか?「ローン負担」が加われば猶更です。そのワンルームマンションが「違法建築」でないかにも注意が必要です。

近隣のワンルームマンションを見渡しても、新築の時は適正な家賃であれば入居率100%も珍しくありませんが、次々と新しいワンルームマンションが建設されると、入居者は新しいマンションに入りたがるので空き室が多くなります。また古いマンションは修繕の必要も出てきます。ワンルームマンションに投資する場合は、十分検討してからにするのが安全です。

日銀統計によると、2016年の全国の不動産融資は、12兆円を超え、バブル期をも上回って1977年以降で最高を記録しました。「アパートローン」も2009年の統計開始以降で最高の3兆7,860億円となりました。貸家の新築着工件数も全国で、41万件あまりと8年ぶりの高水準です。

「ワンルームマンション建設資金融資」に関しては、「相続税対策」として「地方銀行」が積極的に行っており、超低金利下での貸し出し競争の過熱が、かつての「バブル時代」の「放漫融資」につながらないか、また「日本版サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資の破綻問題)」のような問題が起きないか、他人事ながら心配です。