「クラウドファンディング」のメリットとデメリットをわかりやすくご紹介します

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クラウドファンディングとは

最近、「クラウドファンディング」という言葉をよく耳にします。今回はこれについて、メリットやデメリットも合わせて考えて見たいと思います。

1.「クラウドファンディング」とは

「クラウドファンディング」(Crowdfunding)とは、「不特定多数の人が、通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うこと」です。

よく「クラウドコンピューティング(cloud computing)」の「クラウド(雲)」と混同されますが、こちらは「クラウド(群衆)」と「ファンディング(資金調達)」の合成語です。

クラウドファンディングは、新しい事業やプロジェクトを始める際にとても有効な手段で、世界中で大変な勢いで広まっています。

具体的には、「防災」「ファンによるアーティストへの支援」「社会・政治運動」「映画製作」「フリーソフトウェアの開発」「ベンチャー企業への出資」「個人・事業会社・プロジェクトへの貸付」などです。

クラウドファンディングの種類としては、次の三つがあります。

(1)投資型(ファンド型):金銭リターンが伴うもの

(2)購入型:プロジェクトが提供する何らかの権利や物品を購入することで支援を行うもの

(3)寄付型:金銭的リターンのないもの

日本では、第二次安倍内閣で策定された政策で、リスクマネーの供給強化の手段の一つとしてクラウドファンディングを活用する施策が掲げられています。

過去の有名な事例としては、「アメリカの自由の女神像」のクラウドファンディングがあります。1884年に「自由の女神製作委員会(アメリカ)」が像の台座用の資金が不足した時、新聞出版業のピューリツアーが自分の新聞「ニューヨークワールド」で、アメリカの大衆に台座の資金を寄付するように呼びかけました。その結果、6ケ月で10万ドルも集まったそうです。約125千人の人たちが1ドル以下の寄付を多く行った成果です。

日本でも、大阪城天守閣の再建(1931年)が大阪市民らの寄付によって賄われました。1928年に大阪市長に就任した関一氏によって大阪城天守閣の再建が提唱されると、市民の寄付申し込みが殺到し、約半年で目標の150万円(現在の600億~700億円に相当)が集まったそうです。そのうちの25万円は住友財閥総帥の第16代住友吉左衛門氏(1909年~1993年)の寄付でした。これなどもクラウドファンディングの一例と言えると思います。

最近では、深刻な医師不足に直面している大阪府三島救命救急センターが、運営資金として2000万円のクラウドファンディングを今年9月3日期限で行うと発表しました。

また、世界遺産の京都の醍醐寺が、昨年9月の台風21号の被害の修復費用を賄うため、クラウドファンディングを始めました。醍醐寺では、スギやマツなど約3000本の木が倒れたほか、清瀧宮拝殿が損傷を受けるなど総額4億6000万円の被害でした。7割は国庫補助で賄いますが、醍醐寺でも約1億4000万円の負担が必要です。

そこで、クラウドファンディング最大手の「Makuake(マクアケ)」を通して資金調達を行うことにしたそうです。

2.クラウドファンディングの「メリット」

(1)少額で融資や投資を行えるため、誰でも気軽に参加できる新しいビジネスモデル

(2)良い物に投資できれば、多大なリターンが期待できる

3.クラウドファンディングの「デメリット」

(1)商品がマイナーなものが多く、流動性が低い

(2)投資額が集まっても事業がうまく行かないと出資金をドブに捨てることになる

(3)投資を募るが本当は事業をする気のない人物や組織の場合、詐欺に遭うのと同じになる


成功するクラウドファンディング [ 小田恭央 ]