「NO」を増やすと血管が柔らかくなり、脳卒中や心筋梗塞の予防になる

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NOの働き

最近、「NO(エヌオー)」を増やすと血管が柔らかくなり、脳卒中や心筋梗塞の予防になる」という話を聞きました。高血圧の人には耳寄りな話です。

血管は加齢とともに硬くなり、しなやかさを失っていきます。これが血圧が高くなる大きな原因の一つです。

今回はこれについてご紹介したいと思います。

1.「NO」とは

「NO」とは、「一酸化窒素」のことですが、これが血管内で多く発生すると血管が柔らかくしなやかになるそうです。

運動不足が気になり、運動能力に自信のない中高年でも、簡単な日常動作でNoを増やすことができます。さらにNOの産生を増やす食事をとることで、効果が高まります。

2.「NO」を増やすにはどうすればよいか

(1)筋肉を動かすこと

NOは血管の内皮細胞から産生されます。血流が加速するとNoの産生も増加します。血流が加速するとNOの産生に重要な酵素が働き、NOの合成を促進するのです。

血流を加速させるには、運動によって筋肉を動かすことが必要です。しかし、ハードな運動は中高年にとってかえって害があります。

そこで、腹筋運動や背筋運動、タオルを握って離すという「ハンドグリップ法」、手のひらを合わせて押し合って急に緩める、お腹や脚に力を入れて急に緩めるなどの運動でもNoの産生に役立ちます。

(2)タンパク質と抗酸化物質が豊富な食事をとること

①タンパク質

NOは、L-アルギニンというアミノ酸から作られ、同じくアミノ酸のL-シトルリンも密接に関連しています。アミノ酸はタンパク質の構成要素ですから、タンパク質が豊富な食品をとることが重要です。

L-アルギニンを多く含む食品としては、赤肉・魚・鶏肉・大豆・ナッツなどがあります。

②抗酸化物質

抗酸化物質は、NOを保護する作用があることがわかっています。抗酸化作用として働く栄養素は、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどで、タンパク質が豊富な食品と同様に意識してとるとよいでしょう。

食品から十分な量がとれない場合は、サプリメントを利用するのもよいかもしれません。