コロナ重症者数が高齢者感染増加で大阪が東京の2倍超。実効再生産数にも注目!

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コロナ重症者数

前に、「コロナの重症者数や死者数を報道しないと実態を見誤る」と言う記事を書きましたが、最近は重傷者数や死者数を報道するテレビが多くなりました。

これは歓迎すべき傾向だと思うのですが、「8/18時点で大阪府の重症者数は65人で、31人の東京都の2倍以上に上った」というニュースで、「実は重症者の基準が異なっていた」ことが明らかになりました。

1.厚生労働省の基準と都道府県の基準の相違の問題

国(厚生労働省)の基準は、「集中治療室」「人工呼吸器」「人工心肺装置(ECMO)」の三つですが、東京都は「集中治療室」をカウントせず、大阪府は国の基準に加えて「気管の挿管」もカウントしています。

FNNの取材結果によると、茨城県・京都府・福岡県などは東京都と同じ基準で、北海道・神奈川県・沖縄県などその他の多くの自治体では国の基準通りにカウントしているようです。

2.比較するには「同一基準」でないと無意味

統計として比較する場合は、「同一基準」でないと無意味なのは当然です。コロナ禍が起きた当初の段階で、厚生労働省から各自治体への指示が不徹底だったのか、国の重症者基準を疑問視したのか重症者数を低く見せようとしたのかわかりませんが、自治体ごとにバラバラというのは今後のためにも是正してほしいものです。

なお、大阪の「集中治療室」「人工呼吸器」「人工心肺装置(ECMO)」「気管の挿管」の内訳数字がわかれば、とりあえずは東京都との比較はできると思います。

「基準の相違」以外にも、重症化リスクの高い高齢者施設でのクラスターが7月下旬以降12カ所で発生していることも重症者急増の要因とも言われています。

なお「重症者基準の相違」の話題と少し逸れるかもしれませんが、「基礎疾患が主な原因の重症者をコロナにカウントすること」は、実態を見誤らせ、政策判断を誤らせる恐れがあるので、対象から外すべきだと私は思います。そうしないと「コロナ禍」を過大に見ることになるからです。



3.今はコロナの「実効再生産数」の把握も重要

ただコロナの実態の把握には、「重症者数」や「死者数」の推移も重要だと思いますが、もう一つ「現在コロナが収束に向かっているか否かを判断する指標として、「実効再生産数」の把握も重要だと私は思います。

「実効再生産数」の把握は難しい面もあるようですが、テレビのニュースや情報番組でも、今後はこの数値の推移も発表し解説していただければありがたいと思います。

東洋経済オンライン」では、5月20日からリアルタイム性を重視した新型コロナウイルスの「実効再生産数」の掲載を開始しています。これは政府の専門家会議メンバーの西浦博・北海道大学教授が考案した数理モデルを用い、報告日ベースによる簡易的な計算によって実効再生産数を計算しているものです。

ぜひ参考にしてみてください。

4.国による「トリアージ」のガイドライン作成も急務

なお、最近は連日の猛暑で「熱中症患者」も激増しています。コロナ以外の救急患者もおられます。

ベッド数や、人工呼吸器の数、医療スタッフの数がギリギリか、不足する状態になった場合、「重症者・中症者・軽症者」の優先順位の選別、「高齢者・中高年・若者・子供・幼児」の優先順位の選別を迫られることになります。

このような緊急事態となった場合、誰を優先的に治療するのか、医療現場では悩ましい選択を迫られます。

したがって、「医療崩壊」を防ぎ、現場の医療関係者の負担軽減のためにも国による「トリアージ」のガイドライン作成が急務だと私は思います。

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