「経済安全保障」とは何か?これは「経済戦争」であり今の日本の喫緊の課題!

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経済安全保障

最近「経済安全保障」というキーワードをよく聞くようになりました。

2021年10月4日に発足した岸田文雄内閣で「経済安全保障担当大臣」が新設され、46歳の小林鷹之氏(元財務省官僚、当選3回)(1974年~ )が就任したことでにわかに脚光を浴びたようです。

1.「経済安全保障」とは

「経済安全保障」という言葉は、広義では「個人の経済安全保障(経済的安定)」(現在および予見可能な将来の生活水準を支えるための安定した収入またはその他の資力を持っている状態)を指す場合もありますが、ここでは「国家の経済安全保障」についてご紹介します。

国家の「経済安全保障」とは、「国民国家が自らの選択した政策に従って、国民経済を望ましい形で発展させることができる能力」のことです。

歴史的に、民族の征服は、略奪、新たな資源の獲得、征服された民族の経済の管理による貿易の拡大を通じて、征服者を富ませてきました。

多国間協定・相互依存性・天然資源の安定供給などを特徴とする今日の複雑な国際貿易システムのもとにおいては、軍事政策と同様、経済安全保障は国家安全保障の重要な部分を成すものと言っても過言ではありません。

経済的安全保障は、特に2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件以降、米国の外交政策における石油地政学において、国際関係の重要な決定要因として提言されてきました

今の米中の覇権争いは、軍事的な対抗措置を使わずに決着をつけるという大前提で始まっています。その代わりに、「経済」というツールのぶつけ合いで決着させるという「経済戦争(経済を使った戦争」になっりました。そこで「経済安全保障」という考えが不可欠になっています。

「安全保障」というと、かつての米ソ冷戦のように軍事的なことを想像しがちですが、今はいわゆる核抑止力によって軍事衝突の脅威が遠のいた結果、いわば「経済が武器」となり、「経済を使った戦争」になっているのです。

カナダにおいては、国全体の経済安全保障への脅威は、「経済的利益のために、専有情報や技術などの経済情報への不正アクセスを取得するための、外国政府による違法、秘密、または強制的な活動」である経済スパイと見なされています

日本においても、国家安全保障会議をサポートする国家安全保障局に新たに「経済班」が2020年4月に設置されるなど、経済安全保障の観点からの政策提案が見られるようになり、自民党は「経済安全保障一括推進法案」の策定に向けた準備を進めています。

かつて敗戦後の日本を占領統治したGHQが、「心理戦」の手法の一つである「WGIP」という日本人洗脳プログラムの実施によって日本人を無力化しました。日本人は「占領は戦争の終わり」と考えていましたが、GHQにとっては「占領は軍事戦の終わりであって、政治戦と心理戦の新たな段階の始まり」を意味していました。

日本国憲法前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」をいつまでも信じている「平和ボケ」の国民も多く、マスコミの論調もその傾向があります。

しかし、今の日本は「経済戦争」の真っただ中に置かれています。中国やロシア、北朝鮮の脅威は明らかです。欧米諸国も本質的には「それぞれの国ファースト」なので、日本も欧米に過度に依存するのは禁物で、したたかな戦略が必要です。

今「コロナ対策が最優先課題」のように言われることが多いのですが、これは「インフォデミック」「コロナ狂騒曲」であり、「感染症指定を2類相当から5類へ変更」すれば、「第6波」が来ても医療逼迫や医療崩壊が起きる心配はありません。

むしろ「経済安全保障」こそ最優先課題であり、マスメディアを含め多くの国民が一日も早く、「WGIP」の呪縛・洗脳から抜け出す必要があると私は思います。

2.日本の「経済安全保障」の主な課題

経済安全保障の課題

現在の日本の「経済安全保障」の課題は、上記の通りです。

まず軍事転用可能な技術の流出防止や輸出管理など経済と安全保障が密接に絡む分野があります。人工知能(AI)や次世代通信規格「5G」、ドローン(小型無人機)、半導体や全地球測位システム(GPS)などは民間企業だけでなく兵器などにも使えます。貿易の規制などで国の存立が揺らぐようなケースもあります。

中国は経済的な手段で他国の外交や企業活動に影響を与える「エコノミック・ステートクラフト」と呼ぶ戦略を展開しています。これに対して米欧や日本は自国企業の保護や政府調達の厳格化に着手しています。

米国は2019年に国防権限法に基づき華為技術(ファーウェイ)など中国企業の製品を政府機関が調達するのを禁じました。

日本政府も2019年から安保上のリスクがある通信機器を全省庁で調達しないと決めました。2020年4月には「国家安全保障局(NSS)」に経済安保を専門とする経済班を発足させました。約20人の体制で先端技術の流出防止などを検討しています。

コロナ禍で明らかになった中国に過度に依存したサプライチェーンの見直しも重要です。「製造業の国内回帰」や「食糧自給率の向上」などが不可欠です。

また中国人による北海道の森林などの土地取得は「水資源」の観点からも問題ですし、対馬における韓国人による土地取得も安全保障上の大きな問題です。

3.国内での「経済安全保障」への対応の動き

岸田首相が重視する「経済安全保障」は我々の日常生活のあらゆる所に関係していて、今、欠かすことのできない「マスク」にまで及んでいます。

去年、全国各地で見られたマスク不足の原因は、国内流通の7割を占める中国産マスクが、日本に入ってこないためでした。中国産マスクの国内販売を手掛ける業者は、当時をこう振り返っています。

ファーストレイト・長谷川友彦社長:「中国政府・警察の方が安全のため、工場に24時間張り付いていた。『不正に輸出した場合、逮捕する』と言われたケースもあった。現在、コロナ禍において、やはり大きな備蓄をしていかないと、立ち行かないのではないかと」

「供給を特定の国に依存するリスク」「国家間の関係が悪化すれば、生活必需品が入ってこなくなるかもしれない」というのがコロナで露呈された経済安全保障の一面です。

その危機感から、アイリスオーヤマは、国内工場でのマスク生産体制を大幅に増強しています。ここに、新たな備蓄倉庫を加え「有事に耐えうる供給網」の構築を目指しています。

アイリスオーヤマ広報室・岡村響介さん:「国内で生産し、販売するという方法で、原点回帰・国内回帰というところ。やはり依存というか、中国に頼ってしまう部分は、少なからずあると思うが、こういう時に、いかに対応できるかが、企業として必要になってくる」

「経済安全保障」の観点から、急務となっている国内生産体制の強化について政府は、補助金による促進策を進めています。対象事業者の一つである酒造会社は、こう話します。

木内酒造製造部・中村幸代さん:「うちはウイスキーを作っているが、ウイスキーを消毒用アルコールとして瓶詰めして販売している。(原料を)海外に頼っているところが多いと思うので、少しでも国内のもので作れるのであれば、安定した供給ができる」

「経済安全保障」は、「サプライチェーン」の話だけにとどまりません。例えば、インターネットにおけるサイバー攻撃など個人情報のセキュリティー。「LINE」の個人情報が中国で閲覧できるようになっていた問題では、個人や企業の情報が海外に抜き取られるリスクが露呈されました。

他にも、最先端技術についての機密情報や、専門技術者の流出など、日本が向き合うべき課題は山積みです。「経済安全保障担当大臣」が新設されたのも、危機感の表れです。

小林経済安全保障担当大臣:「安全保障は安全保障、経済は経済と割り切れる時代は終わりつつある。新型コロナでサプライチェーンのぜい弱性も露呈。国家間の競争が非常に激しくなっている。経済的手段で影響力を行使する動き、機会が増えている。」



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