「京都の花街は僧侶で持っている」というのは本当か?

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舞妓

1.京都の花街(かがい、はなまち)とは

現在、京都には「上七軒」「祇園甲部」「祇園東」「島原」「先斗町」「宮川町」の6つの花街があります。

「島原」以外の京都花街組合連合会加盟の5地区を「五花街」と呼ぶこともあります。

2014年3月に京都市は、「京都をつなぐ無形文化遺産」に「京・花街の文化(「五花街」と「島原」の文化)」を選定しました。

2.京都の花街を舞台にした歴史や映画

「忠臣蔵」で有名な大石内蔵助(1659年~1703年)は、伏見の橦木町によく通いましたが、島原、祇園でも遊んでいます。特に橦木町では、「笹屋」を贔屓にして、浮橋・夕霧などの名妓のもとに足繁く通ったそうです。

京都の島原は、「輪違屋」や「角屋」が有名ですが、江戸時代には「新選組」が盛んに宴会をしたり、西郷隆盛や久坂玄瑞などの「幕末の志士」が軍用金調達のために豪商を招いて会合を行ったりもしたそうです。

私は2014年に公開された周防正行監督の「舞妓はレディ」という映画を見ました。タイトルはオードリー・ヘップバーン主演のミュージカル映画「マイ・フェア・レディー」のもじりです。

地方出身の少女が京都の「下八軒」(架空の花街)で舞妓を目指す成長物語で、歌とダンスを交えた面白い映画でした。

3.京都の花街の現状

「京都のお坊さん、特に有名寺院の位の高い僧侶は祇園で遊興三昧している。僧侶とは思えない浮世離れした華やかで贅沢な生活をしている。今の京都の花街は僧侶で持っている」という話を京都勤務が長かった先輩から聞いたことがあります。

そういえば、テレビに出て来る有名な大寺院の「大僧正」などを見ると、「血色がよく栄養満点のように肥えた人」が多いような気がしますね。まるで「政治家」みたいです。

この他に、地方から檀家の信徒を連れて来て、夜は信徒の世話から解放されて羽目を外すお坊さんや、京都やその周辺の寺の世襲の「ドラ息子」のようなお坊さんも、周りからちやほやされるし、時間とお金も余っているので花街で遊んでいるようです。

「頓智の一休さん」でおなじみの一休宗純が生きた室町時代も、僧侶の腐敗堕落は目に余るものがあったようです。

かつて東大の大河内一男総長が卒業生に向けて、「太った豚になるよりは、痩せたソクラテスになれ」と訓示したという話があります。(実際にはこの部分は読み飛ばしたそうですが)

この出典はJ.S.ミルの「功利主義論」で、次のようなものです。

It better to be a human being dissatisfied than a pig satisfied; better to be Socrates dissatisfied than a fool satisfied.

訳は「満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよい。満足した馬鹿であるより、不満足なソクラテスであるほうがよい。」(関義彦訳,世界の名著38,中央公論社,1967)

郷ひろみさんなどの芸能人が祇園で「お茶屋遊び」をしていることが話題になることもよくあります。

昔は、京都の花街は「豪商」などの「旦那衆」などに支えられていたのでしょうが、今は主にお坊さんによって支えられているようです。しかしこれでは「お坊さんの有難みがなくなる」と思うのは私だけでしょうか?

余談ですが、仏教国タイの僧侶といえば「節制」「禁欲」のイメージがありますが、近年市民からの供物が高カロリー化し、約半数の僧侶が「メタボ」になっており、危機感を強めた専門家が、僧侶たちに「ダイエット」を呼び掛ける事態となっているそうです。

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